Homo erectus tautavelensis
写真: No machine-readable author provided. Luna04~commonswiki assumed (based on copyright claims). / CC BY 2.5 / Wikimedia Commons

成人の化石が示す約200万年前の存在

南アフリカのドリモレン洞窟で見つかった化石から、ホモ・エレクトスが約200万年前に同地にいたことを示す証拠が加わりました。新たに記載された成人の頭骨片は、同種が南部アフリカに現れた時期を従来の見方より約20万年さかのぼらせます。

化石DNH 127は、ヨハネスブルク近郊のドリモレン・メイン・クオリーで発掘されました。これまで同じ場所で見つかっていたホモ・エレクトスの頭骨片DNH 134は、2〜4歳の子どものものとされ、成人の特徴を比較する資料は限られていました。

DNH 127は、同地で成人の化石として初めて記載されました。研究では、ドリモレンにホモ・エレクトスが約204万〜195万年前に存在したことを示す追加の証拠と位置づけています。

18点の頭骨・下顎化石を分析

研究チームは、1992〜2019年に発掘された、詳しく記載されていなかった頭骨と下顎の化石18点を調べました。内訳は、ホモ・エレクトスが1点、パラントロプス・ロブストゥスが14点、種を特定できないヒト族化石が3点です。

骨の形を記述し、別の南アフリカの化石群と比較して種を割り当てました。形態の定性的な比較に加え、計測値も用いています。

研究で扱った化石は、約204万〜195万年前のドリモレン・メイン・クオリーから出土しました。この年代幅は、同地の地質年代を扱った先行研究に基づいています。

2種が同じ場所に生息

ドリモレンでは、ホモ・エレクトスとパラントロプス・ロブストゥスの化石が同じ洞窟から見つかっています。約200万年前、異なる特徴を持つ2種が同じ地域にいたことになります。

パラントロプス・ロブストゥスは、ホモ・エレクトスより人類の系統樹上で遠い親類にあたります。大きな臼歯と発達した咀嚼筋を持ち、硬い食物の処理に適した顎の特徴が知られています。

ドリモレンでは、パラントロプス・ロブストゥスの化石がホモ・エレクトスの化石を10対1以上で上回っていました。後に人類へつながる系統となったホモ・エレクトスは、当時この地域で多数を占めていたわけではありません。

パラントロプスの形態変化

新たに記載されたパラントロプス・ロブストゥスの化石には、顎の形にこれまで確認されていなかった特徴が含まれます。研究チームは、ドリモレンの化石群が別の南アフリカの化石群と形態的に異なるという見方に、今回の化石が整合するとしました。

約200万年前から180万年前にかけて、パラントロプス・ロブストゥスでは臼歯がさらに大きくなり、咀嚼に関わる筋肉も発達したとされています。同じ時期にホモ・エレクトスでは脳が大きくなり、臼歯は小さくなる傾向があったと研究チームは説明しています。

化石の形態差は、パラントロプス・ロブストゥスが時間とともに変化した可能性を検討する手がかりになります。ドリモレンでは119点のヒト族化石が見つかっており、追加の化石分析は両系統の変化を調べる資料になります。