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4500万年前の化石を新種と判定

エジプトのモカッタム層で1920年代に見つかったワニ類の化石が、新属・新種「Herugavialis cairensis」として記載されました。化石は約4500万年前のもので、大スフィンクスが切り出された石灰岩層と同じ地層から発見されています。

研究チームは、ほぼ完全な頭骨を含む標本をコンピューター断層撮影(CT)で調べました。化石は1927年に記載されていましたが、長い吻(ふん)などの形が似ていたため、当時は現生のマレーガビアルと同じTomistoma属に分類されていました。

新種名は、エジプトの神ヘル(Heru)とカイロにちなみます。頭骨の吻の先端が欠けていたことも、鼻先を失った大スフィンクスとの共通点として、命名のきっかけになりました。

頭骨の形がマレーガビアルと異なる

CT画像から、目の周囲に隆起した縁があるなど、マレーガビアルとは異なる特徴が見つかりました。頭骨の長さに対して吻は約64%を占め、細長い形をしています。

研究チームは、ガビアル類を含む152種について331の解剖学的特徴を比較する系統解析も行いました。その結果、化石はガビアル類の中に位置する一方、マレーガビアルの近縁ではなく、現生インドガビアルとその近縁種を含むグループより早く分岐した系統とされました。

Herugavialisは、魚を捕食する長い吻を持つガビアル類です。約4500万年前の北部エジプトでは、温暖な浅い海に生息していたとされています。

化石が見つかったモカッタム層と大スフィンクス

モカッタム層は中期始新世の石灰岩層で、大スフィンクスはその上部の石灰岩を彫って造られています。化石はスフィンクスそのものから出たのではなく、同じ地層に含まれていました。

スフィンクス周辺のモカッタム層は、地質学的な特徴からロセタウ、セテペト、アケトの3つの部層に分けられます。セテペト部層は厚さ約10メートルで、厚さ1〜2メートルの6層からなり、スフィンクスの胴体の主要部分を構成します。

アケト部層はスフィンクスの首と頭部に露出し、頭部はその上部の石灰岩から彫られています。地層の堆積過程では、石灰質の堆積物に含まれる陸由来の砕屑物や岩塩、石こうが上方に向かって減少したと報告されています。

ガビアル類の分布と地中海からの消失

化石記録によると、ガビアル類は過去には南米やカリブ海地域を含む広い範囲に分布し、アフリカ、アジア、ヨーロッパにも生息していました。モカッタム層の浅い海にはHerugavialisのほかにも、少なくとも2種のガビアル類がいたとされています。

地中海地域では、古第三紀に少なくとも6種、中新世にも少なくとも6種のガビアル類が記録されています。一方、その間の漸新世の化石は知られていません。

地中海のワニ類は中新世後期に減少し、約600万年前までに同地域から姿を消しました。現生のガビアル類はインド亜大陸と東南アジアに残る2種で、インドガビアルは深刻な絶滅危機にあり、マレーガビアルも絶滅危惧種に分類されています。