
栄養をそろえた2種類の食事を比較
米バージニア工科大学などの研究チームは、加工度の違いが食後の代謝や脳の反応に関係するかを調べました。健康な成人57人が参加し、うち32人が代謝測定を完了、52人が脳の画像検査を受けました。
参加者は、超加工食品だけで構成した食事と、超加工ではない食品だけで構成した食事を別の日に食べました。どちらも約300キロカロリーで、エネルギー、栄養素、食物繊維、水分、塩分などの差は最大1.6%以内にそろえられていました。
食事は10分以内にとり、研究チームはその後3時間、採血と代謝測定を行いました。間接熱量測定は、呼吸ガスの出入りなどから全身のエネルギー消費を調べる方法です。
インスリン反応とエネルギー消費に違い
超加工食品の食事では、加工度の低い食事より食後のインスリン反応が大きく、血中インスリンの総量にも統計的な差がありました。差は食後40〜120分に見られました。
一方、血糖値の総量には食事間の差がありませんでした。ただし、食後20分の時点では、加工度の低い食事のほうが血糖値が高いという時間ごとの違いが報告されています。
食後の代謝率は超加工食品の食事で高く、炭水化物の酸化量は低くなりました。脂肪の酸化量は超加工食品の食事で高く、同じような栄養構成でも、体が食後に使うエネルギーや燃料の内訳に違いが生じました。
脳の反応と食べ物の評価
研究チームは、食べ物の画像を見て値段を考える課題をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)で調べました。超加工食品を食べた後と、加工度の低い食事を食べた後では、報酬や学習に関わる線条体の反応に違いが見られました。
食事間で炭水化物の酸化量のピーク差が大きい人ほど、食べ物の画像に対する線条体の活動にも関連がありました。研究チームは、食後の代謝反応と脳の反応が結びつく可能性を示しています。
参加者が食べ物に付けた主観的な価値は、食事条件によって変わりませんでした。一方、食べ物の価値判断に関係する脳活動は、視覚野と線条体で条件ごとに異なる関連を示しました。
今回の調査は健康な成人の単回の食事後の反応を扱ったものです。研究結果から、長期的な摂取が病気を引き起こすことや、超加工食品全般の健康影響が確定したとはいえません。
NOVA分類で見る超加工食品
NOVA分類は、食品が自然から分けられた後に受けた物理的・生物学的・化学的な加工の性質や程度、目的を基準に、食品を4群に分けます。
この分類で超加工食品に当たるのは、複数の工業的な原材料から作られ、丸ごとの食品をほとんど含まない、すぐ食べる・飲む・温めるための製品です。香料、着色料、甘味料、乳化剤など、一般的な家庭調理では使われない原材料が含まれることがあります。
製造工程には、押し出し成形や成形、揚げる前の加工などが含まれる場合があります。炭酸飲料、菓子、包装スナック、ソーセージ、即席スープや麺類などが例として挙げられています。
Stanford Medicineで紹介された栄養研究者のダリア・ペレルマン氏も、超加工食品は工業的に加工された原材料を使う製品として説明し、乳化剤、着色料、風味増強剤などを例に挙げています。
Stanford Medicineが示す例には、市販のパン、多くの朝食用シリアル、味付きヨーグルト、ホットドッグ、冷凍食品、ポテトチップス、清涼飲料、チョコレートバーがあります。
同氏は、加工の少ない食品と超加工食品の境界や、個々の製品をどう分類するかには議論があるとも説明しています。今回の実験が示したのは、分類上の超加工食品を含む食事と、栄養構成をそろえた食事との間に、短期的な代謝・脳反応の差があったことです。








