求人は増加したが、コロナ前の水準には届かず

米国のソフトウェア開発職の求人掲載数は、Claude Codeが公開された2025年2月以降、約15%増えました。同じ期間に全職種の求人掲載数は7%減りました。

ただし、求人掲載数は低い水準から回復しています。Indeed Hiring Labによると、ソフトウェアエンジニアの求人掲載数は2020年2月の水準を約27.5%下回っています。一方、全職種の掲載数は同時期とほぼ同じ水準です。

Indeed Hiring Labは、2022年5月から2026年5月にかけて、AIの影響を受けやすい職種ほど求人掲載数が大きく減る傾向があったと分析しました。ところが、2025年5月から2026年5月には、AIの影響を受けやすい職種ほど掲載数が戻る傾向に変わりました。同研究は、両者の相関だけでは因果関係を示せないとしています。

増加分の中心は経験者とAI関連職

2025年5月から2026年5月までのソフトウェアエンジニアの求人増加分を職位別に見ると、シニア職が71%を占めました。求人タイトルにAIへの言及がある職種は、増加分の37%でした。この二つの分類は重複する場合があります。

Indeed Hiring Labのスネハ・プリ氏は、AIが技術的なコーディング作業の一部を担っても、企業にはその作業を監督し、製品を改善し、顧客が技術を業務に取り入れるのを支援する開発者が必要だと述べています。

AIエージェントが変える開発工程

AnthropicがClaude.aiとClaude Codeでのコーディング関連のやり取り50万件を分析したところ、Claude Codeの会話の79%は、AIが直接作業を行う「自動化」に分類されました。対話型サービスのClaude.aiでは、この割合は49%でした。

Claude Codeのやり取りでは、AIが作業を進めて人がエラーなどを返す「フィードバックループ」が35.8%、人の指示を受けてAIが最小限のやり取りで作業を完了する「指示型」が43.8%でした。Anthropicの分析では、自動化に分類されたやり取りにも、人による入力や確認が含まれています。

同じ分析で、JavaScriptとTypeScriptはコーディング関連の問い合わせの31%、HTMLとCSSは28%を占めました。上位の作業には、ユーザーインターフェースの部品開発が12%、ウェブ・モバイルアプリ開発が8%含まれます。Anthropicは、単純なアプリや画面を作る仕事がAIの影響を早く受ける可能性があると推測しています。

生成コードの確認と若手の入口

AIがコードを作る量が増えるなか、開発現場では出力の確認も課題になります。GitHubは、AIエージェントが関わるプルリクエスト、つまり共同開発で変更案を提示する手続きが、1年前の10件に1件未満から、現在は3件に1件へ増えたと報告しています。同社は、コードが増えるほど脆弱性への対応と人の確認作業を両立させる必要があると述べています。

開発者を対象にしたSlackの調査では、AI生成コードを信頼すると答えた人は29%だった一方、84%はAIコーディングツールをすでに使っているか、使う予定だと回答しました。

ジョージア工科大学のハンチン・ジャオ氏は、AIが生成したコードを十分に読まずに出荷する危険を指摘し、認証の欠落や入力値の未検証、アクセス制御の不足を例に挙げています。

若年層の雇用は、経験者向け求人の増加とは別の動きを見せています。スタンフォード大学の2026年AIインデックスでは、生成AIの普及後、AIの影響を受ける職種に就く22〜25歳の雇用が16%減り、若手ソフトウェア開発者では20%減ったとしています。

米労働統計局は、ソフトウェア開発者の雇用が2025年から2035年に10%増え、約172万人から約189万人になると予測しています。増加は約17万4,700人に相当します。この予測は、現在の求人回復や若年層の雇用減少とは異なる期間を対象にしています。