Ubisoft montreal headquarters in a brick building
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2000年以降に大企業や中堅企業に買収されたゲーム開発スタジオ283社のうち、93社、32.9%が閉鎖されました。 買収後のゲームの売上や評価まで含めると、約6割のスタジオで状況が悪化したとする調査結果もあります。 集計を行ったゲーム開発者のSebastian Cardoso氏は、買収後の明暗を分ける要因として、開発チームだけでなくオーナー側の販売戦略にも注目しています。

買収後の約6割でゲームの状況が悪化

Cardoso氏の分類では、買収後の作品が以前より売れた、または評価が高まったスタジオを「成功」、大きな変化がないスタジオを「安定」、売上や評価が明確に落ちたスタジオを「衰退」としています。 閉鎖されたスタジオは、これらとは別に「閉鎖」として扱われます。 283社のうち「衰退」は79社、27.9%で、「閉鎖」と合わせると60.8%に達しました。

買収後の推移を追えたスタジオでは、売上が下がった割合は58.7%、上がった割合は29.9%でした。 批評家からの評価が下がった割合は36.6%で、上がった割合は22.3%です。 売上と評価では、買収後に下落した割合に差がありました。

一方、ゲームの動向と組織の状態を両方考慮すると、買収前と同等以上の作品を出し、組織も損なわれていない「健全」に分類されたのは71社、全体の25.1%でした。 Cardoso氏は、ゲームの状況だけで見るか、組織への影響も含めるかで「悪化」の割合は変わると整理しています。 組織の状態を評価する対象は、閉鎖されずに存続していた190社です。

買収から5年以内の閉鎖も少なくない

閉鎖率は、買収後に経過した期間によっても異なります。買収から5年以上経過した252社のうち、5年以内に閉鎖したスタジオは16.7%でした。 10年以上経過した139社では、買収から10年以内の閉鎖が36.7%となっています。

これらは、買収から5年または10年が経過したスタジオに限った集計です。 そのため、5年以内の数字と10年以内の数字では対象となる社数が異なります。 また、閉鎖された93社のうち少なくとも42社は買収後5年以内に閉鎖しており、閉鎖例の約45%に当たります。

買収時期が異なるスタジオを一律に比べると、買収後の経過年数が結果に影響します。Cardoso氏は、買収からの期間を基準にした集計も示し、短期間での閉鎖と、長い期間を経た後の閉鎖を区別しています。 ただし、期間ごとの割合を読む際には、それぞれの集計対象の違いも踏まえる必要があります。

買い手によって集計結果に差

買収企業別の集計では、Activision Blizzardが保有した17社のうち、買収後も作品の出力が維持されたスタジオはありませんでした。 対照的に、任天堂が保有したスタジオはすべて「成功」または「安定」に分類され、閉鎖や衰退はありませんでした。 ただし、こうした企業別の数字は、買収したスタジオの数や分類基準と合わせて読む必要があります。

調査では、買収後も作品を作るチームが一定程度残る一方、マーケティング費用、価格設定、発売時期、対応プラットフォームはオーナー側が左右すると整理されています。 Cardoso氏は、売上の変化とレビュー評価の変化に差がある点から、作品の評価を支える開発チームと、売上に影響する販売戦略を分けて考えています。 これは同氏による分析であり、個々の買収で同じ要因が働いたという意味ではありません。

継続的な発売や負債を閉鎖要因と分析

Cardoso氏は、買収企業ごとの閉鎖率の違いについて、定期的なシリーズ作品の発売を求める事業構造や、買収資金の負債が影響する可能性を挙げています。 たとえば、Activision Blizzardには毎年『Call of Duty』を発売する必要があり、EmbracerやNaconは買収に伴う負債をゲームの発売で賄う構造にあるとしています。 こうした条件が、スタジオの売却や閉鎖につながる場合があるという見立てです。

また、複数のスタジオを抱えるオーナーでは、閉鎖を決める幹部と対象スタジオとの距離が大きいことも、判断に関係する可能性があるとCardoso氏は推察しています。 同氏は買い手の特徴を、既存シリーズの開発へ転換するパブリッシャー、借入を伴う買収を重ねる企業、ゲームを複数事業の一つとして扱うメディア企業に分けました。 いずれも、今回の集計を踏まえた同氏の分析です。

分類には、売上やレビューの変化を基にした独自の基準が用いられています。 また「成功」「安定」などの評価は、買収後のゲームの状況を買収前と比較したもので、組織への影響を評価する基準とは別に設けられています。 買収の結果を考える際には、閉鎖の有無に加え、作品の動向と組織の状態を分けて見る視点が示されています。