
ムホスとオタンマキで建設停止命令
Googleのフィンランド事業責任者は、ムホスとオタンマキ周辺で許可を得ずに森林を伐採したことについて謝罪しました。フィンランドの監督当局LVVは、必要な環境影響評価が終わる前に伐採が行われたとして、2カ所の工事を一時停止するよう命じています。
ムホスでは、データセンター建設予定地の約330ヘクタールにあった推定25万本の木が伐採され、表土も取り除かれました。現地には泥地が広がり、重機による整地が進んでいます。
オタンマキはムホスから南東へ約100キロ離れた村です。自然保護団体の担当者は、同地でも約15万本の木が伐採されたと推定しています。2拠点は、Googleが進める総額130億ユーロ(約2兆3,000億円)のAIインフラ計画の一部です。
住民はオオカミや水への影響を訴える
オタンマキに住むアニ・ランタさん(53)は、森にいた野生動物が移動し、オオカミが村に来るようになったと話しています。家族が何世代にもわたって暮らす地域で、森林伐採後に野生動物の動きが変わったという住民の証言です。
ランタさんは建設工事の騒音も懸念しています。父親のペンッティ・コルホネンさんは、近くの小川の水が伐採後に茶色くなったと述べました。ムホスでは、住民が現場から流れ出た茶色い水が、オウル川につながる小川へ流入していると訴えています。
地元の生物学者は、ムホスの森に巣を作っていたミユビゲラが追い出されたと指摘しています。データセンター建設をめぐり、環境への影響や地域への補償を求める請願に9万3,000人以上が署名しました。こうした計画の是非は、4月に予定されるフィンランドの選挙で争点になる可能性があります。
冷涼な気候と電力が誘致の背景
フィンランドでは、冷涼な気候をデータセンターの冷却に活用できます。フィンランドで開発事業を行うFCDCは、外気を使った冷却で運用コストを抑えられ、施設から出る熱を地域暖房に再利用できることを利点に挙げています。
FCDCは、大規模施設向けに電力を確保した用地や送電網への接続、許認可の準備を進めています。同社はフィンランドの電力網を安定したインフラとし、卸電力価格の平均が欧州で3番目に低いとしています。
データセンター事業者のDigitaは、電力供給に加え、冷却に適した気候や欧州各地につながる通信回線を、フィンランドを選ぶ要因として挙げています。同社によると、ヘルシンキのデータセンターはインターネット交換拠点に接続でき、ドイツなどへ向かう海底ケーブルもあります。電力網や光ファイバー網の整備も、大規模施設の運用を支える条件です。
オオカミの生息地を分断する道路の影響
イラン中央部の乾燥地帯でハイイロオオカミとペルシャヒョウを調べた研究は、生息に適した環境を予測するうえで、保護区からの距離、草地の密度、水資源からの距離が重要だったと報告しています。研究では、ハイイロオオカミの中核生息地が3カ所特定されました。
同研究では、対象地域の保護区内に予測された中核生息地の90%超が含まれる一方、オオカミの移動経路では道路密度が1平方キロメートル当たり80メートルでした。研究者らは、道路が調査対象の動物の生息地を分断していると評価しています。
フィンランドでは、住民が森林伐採後に村へオオカミが出没するようになったと話しています。イランの研究は別の地域を対象に、道路による移動経路の分断を分析し、保護区と生息地をつなぐ管理が必要だとしています。











