GTC Berlinへの参加をめぐる報道
NVIDIAが、AMD製GPUやGoogleのTPUをクラウドサービスに加えた一部のneocloud事業者に対し、GTC Berlinへの参加を認めなかったと報じられています。この報道はSemiAnalysisの情報に基づいています。
neocloudは、AIの学習や推論に必要なGPUなどの計算資源に特化したクラウド事業者です。GTCはNVIDIAが主催するAIやGPU関連の会議で、同社は2009年に始めました。
SemiAnalysisは、NVIDIAが競合チップの採用を抑えるため、neocloudへの圧力を強めていると主張しています。同社は今回の参加拒否もその一環だと報じています。
neocloudと大手クラウドの違い
neocloudはAI向けの高密度なGPU計算に重点を置きます。一方、ハイパースケーラーと呼ばれるAWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの大手事業者は、幅広い企業向けサービスを世界規模で提供します。neocloudは専門的な計算基盤を、大手クラウドは多様な業務を支える汎用クラウドを事業の軸としています。
neocloudは、ハイパースケーラーで十分なGPUを確保しにくい中小企業だけでなく、大手AI企業にも計算資源を提供し得るとされています。主な顧客は、AIモデルの学習や推論に特化した設備を求める企業です。
ハイパースケーラーは幅広いサービス群やグローバルな基盤を持ち、企業との関係、連携先、各地域での提供体制にも強みがあります。TechSpotは、購買力の大きいハイパースケーラーは今回の「処分」を免れたとする見方を紹介しています。SemiAnalysisによると、neocloudの中にはAMD製GPUを導入しても公表を控える事業者がいます。
異なるGPUを使う際のソフトウェア
GPUの種類を増やす場合、ハードウェアだけでなくソフトウェアの対応も課題になります。AMDは、CUDA向けにコンパイルしたプログラムをAMD GPUでそのまま動かすことはできず、両社のGPUでは命令セットやバイナリ形式が異なると説明しています。
AMDが提供する移行手段の一つは、CUDAに近いC++の実行環境であるHIPと、CUDAコードをHIPへ変換するHIPIFYです。HIPIFYは実行時APIやカーネル起動構文などの一部を変換できますが、コードの確認や手作業での対応も必要です。
AMDは、既存ソフトウェアを全面的に書き直さず、対応するコードから段階的に移行できるとしています。この説明はAMD GPU向けで、Google TPUを含むすべての異なる計算基盤に同じ移行方法を使えるという意味ではありません。複数のチップを扱う事業者は、顧客向けサービスとソフトウェアを各基盤に対応させる必要があります。
独立系事業者への影響
今回の報道は、クラウド事業者がどのチップをサービスに採用するかが、業界イベントへの参加機会にも関係する可能性を示しています。
SemiAnalysisは6月にも、neocloudへの新型チップの先行配分や、IPO・資金調達への支援が制限される可能性を報じていました。NVIDIAは一部のneocloud事業者に直接資金を提供しているとも報じられており、支援関係と競合チップの採用をめぐる緊張が続いています。
AI向け計算需要の拡大を背景に、neocloudは専門的な計算資源を提供する事業者として台頭しています。大手クラウドのような幅広いサービスではなく、GPU計算の供給を担います。報道された対応が広がれば、競合製品を採用する事業者の選択に影響する可能性があります。











