
そら豆タンパク質にジャガイモタンパク質を組み合わせると、肉に似た繊維状の構造を作れる一方、苦味や渋み、後味が強くなることが研究で分かりました。小麦グルテンを使わない植物性肉の食感づくりに使える可能性が示されましたが、食品として広く使うには風味の改善も必要です。
そら豆とジャガイモの組み合わせで繊維状の構造を形成
ハイモイスチャー・エクストルージョンは、熱や圧力、機械的な力を加えてタンパク質を加工し、肉に似た繊維状の構造にする方法です。研究チームは、そら豆タンパク質にジャガイモタンパク質または小麦グルテンを混ぜ、この方法で加工しました。
比較したのは、そら豆タンパク質だけの配合と、そら豆タンパク質75%・ジャガイモタンパク質25%の配合、小麦グルテンを加えた配合です。ジャガイモタンパク質は、そら豆タンパク質と特に強いネットワークを形成しました。
小麦グルテンを加えた試料は、より柔らかく弾力のある食感でした。一方、ジャガイモタンパク質を加えた試料も、植物性肉に必要な構造を作れました。小麦グルテンを避けた配合でも、食感を組み立てられる可能性があります。
食感の改善だけでは消えない苦味と後味
研究チームは、構造を作れることを確かめた後、そら豆とジャガイモの配合の味も調べました。電子味覚センサーを使い、苦味、渋み、うま味、後味を測定しています。
測定では、ジャガイモタンパク質を加えた配合は、小麦グルテンを使わずに構造を保てた一方、苦味と渋みが強く、後味もより長く残りました。そのため、食感面の結果だけでは、消費者向け食品に使えるかは決まりません。
研究チームは、食品会社が消費者向け製品に広く使うには、苦味を抑える方法が必要だとしています。
そら豆タンパク質の普及を妨げる風味と供給面の課題
そら豆は冷涼な地域でも栽培でき、タンパク質を多く含む作物ですが、植物性肉の分野では大豆、エンドウ豆タンパク質、小麦グルテンが広く使われています。そら豆タンパク質では豆特有の風味が用途拡大の障壁として挙げられ、風味を中立化する加工法の開発も進められてきました。
加工によって風味を中立化する製法が開発され、そら豆由来の原料を食品に使いやすくする取り組みも行われています。
風味以外にも、そら豆タンパク質の供給には生産量のばらつきや価格変動が課題として挙げられています。植物由来タンパク質の食品では、大豆やエンドウ豆が先行して使われてきました。そら豆を原料として広げるには、食感や味に加えて、安定した供給網を整える必要があります。
グルテンフリー表示には配合と製造環境の管理が必要
英国の包装食品では、グルテンを含む穀類は主要なアレルゲンの一つで、原材料に含まれる場合は表示が必要です。アレルゲンに当たる原材料は、原材料一覧の中で太字や色の変更、下線などにより目立たせます。
「グルテンフリー」と表示する食品は、原材料や包装資材の確認に加え、製造場所で他の食品から混入しないよう管理し、最終製品にグルテンが残らないようにする必要があります。ただし、グルテンフリー表示には例外があり、製品中のグルテン量が1キログラム当たり20ミリグラム以下であれば表示できます。
製造時の交差接触は、共用設備や器具、保管、輸送、清掃などを通じて起こる可能性があります。リスク評価と管理を行った後も、サプライチェーン上に取り除けない混入リスクが残る場合に、注意喚起表示を使います。こうした表示は適切な衛生管理の代わりにはならず、実際のリスクに基づいて判断します。









