STRAND STORE エントランス(正面)
出典: games.parco.jp

東京ゲームショウ2026では、同人活動や物販、実店舗での展示を組み合わせ、ゲーム開発とファンづくりを支える取り組みが紹介されました。PARCO GAMESや集英社ゲームズなど、ゲーム以外の事業基盤を持つ企業も、作品をゲームの外へ届けています。

同人活動から開発を支える仕組み

日本の同人ゲームは、長く趣味やファン同士の交流を中心に発展してきました。デジタル販売や海外のインディー作品の成功を受け、個人や小規模チームがゲーム開発を仕事にすることを目指す動きも出ています。

コミックマーケット準備会は、コミケットを漫画・アニメ・ゲームなどの自費出版作品を展示・頒布するイベントと説明しています。同人誌即売会は、個人やサークルが作品を発表し、来場者に直接届ける場として開かれてきました。

準備会の2014年資料では、2013年夏のコミケットに約3万5千サークルが参加し、参加者は延べ約59万人でした。 Badge-manは、即売会で作り手と読み手が直接交流し、印刷物やグッズを販売する仕組みを紹介しています。 Kotakuによると、ゲーム開発中に小冊子やポストカードを販売すると、開発費の一部を補えるほか、購入者の関心を作品の完成まで保つことにもつながります。

即売会と作品販売がつなぐファン

Kotakuは、個人開発者がコミティアなどゲーム専門ではないイベントにも出展し、作品を知ってもらう機会を作っていると伝えました。 Badge-manによれば、即売会にはオリジナル作品を扱うCOMITIAのような形式もあり、作品の販売や参加者同士の交流が行われています。

東京ゲームショウで紹介された『Late Fee Girls』では、開発者Urimoがゲームのキャラクター設定や世界観を載せた同人誌も販売しています。こうした物販は、ゲーム本編の発売前から作品の要素を届け、購入者が開発の進行を追う接点になります。同人活動が趣味を共有する場として始まった経緯と、開発資金や認知を支える現在の使われ方が並んでいます。

即売会では、作り手が作品を直接頒布し、読み手と交流できます。コミケット準備会の資料でも、同人誌即売会は個人・サークルが主役となるイベントとされています。ゲーム以外の作品やグッズも扱われるため、ゲーム開発者が試作品や関連商品を持ち込み、同じ作品に関心を持つ人と出会う場になっています。

PARCO GAMESが広げる実店舗での接点

PARCO GAMESは、ゲームのパブリッシングに加え、実店舗やイベントでのプロモーション、グッズ販売にも取り組んでいます。PARCOは開発支援、パブリッシング、マーケティング、二次展開を一貫して手がける方針を掲げています。同社はゲームイベントへの出展を通じて海外の開発者やプレイヤーとの接点を作り、試遊者向けのノベルティ配布やタイトル公式グッズの販売も計画しました。

東京ゲームショウ2026で紹介された『Finding Polka』は、PARCO GAMESが世界向けに出版する作品で、ゲームのTシャツもPARCOのオンライン販売で扱われています。PARCO GAMESの川村悠大氏は、店舗やイベントスペース、ギャラリー、劇場を使い、販売に加えて展示やイベントでもゲームを体験できると説明しました。Kotakuは、PARCO GAMESがゲームを長く楽しめる芸術作品として扱う考えを示したと伝えています。

PARCOとコジマプロダクションは、ゲームの枠を越えた文化との接点を掲げる「STRAND STORE」を展開しました。心斎橋と名古屋の会場では、15を超えるブランドとのコラボレーションに加え、公式グッズの販売や展示を行う予定です。心斎橋では新川洋司氏のスケッチやEntei Ryu氏の作品展示、作品をイメージした飲食店メニューも企画されました。

出版社の強みを使うメディア展開

集英社ゲームズは、親会社の漫画出版の経験を生かし、ゲームを小説やポップアップ販売など別の形でも展開しています。Kotakuは、集英社ゲームズがゲームの物販を実店舗で行うなど、ゲームを出版事業の一部として支えていると紹介しました。出版社や小売企業は、既存事業を通じてゲームの認知をデジタル販売店の外へ広げています。

『都市伝説解体センター』では、漫画連載や小説が展開され、書店コラボも実施されました。集英社ゲームズの林真理氏は、ゲームと漫画それぞれでファンが生まれることを目指し、漫画化では作家や編集部に任せる部分を設けたと話しています。『りぼん』編集部のしおたん氏は、ゲームで描かれなかった部分を漫画で表現し、原作ファンと新しい読者の双方に届ける考えを説明しました。

書店コラボでは、ゲームと漫画それぞれの絵柄を使ったノベルティや展示パネルを用意し、関連書籍の販売に合わせた企画も行われました。日本出版販売の片山淳子氏は、第1弾で店舗からノベルティ追加の問い合わせがあり、第2弾では前回を逃した人も楽しめるよう工夫したと述べています。集英社ゲームズは2026年10月22日からのオーディオドラマ配信も発表しています。