押井守監督の劇場アニメ『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女(ヘクセ)』で、メインビジュアルと直前予告、主題歌予告が公開されました。予告にはバララント軍の人型兵器ファッティーが初登場し、中島美嘉さんが歌う主題歌「名も無き詩人のように」も発表されています。第1作は11月20日に全国公開されます。

予告はアッシュの調査と基地内の人間模様を描く

描き下ろしのメインビジュアルでは、銃を手にした主人公アッシュ・ヴァンプスがコックピットから前方を見据え、その背後にスコープドッグがそびえています。イラストを手がけたのは、キャラクターデザインを担当する小島崇史さんです。

直前予告は、女性士官マキ・シュタウフェンベルクが整備工場に並ぶAT(アーマードトルーパー)を見上げる場面から始まります。マキは、過酷な作戦から生還し続けるため「魔女」と呼ばれる兵士アッシュを調査します。前線基地の人間関係をうかがわせる「敵は前にだけいるわけじゃない」という台詞も登場します。

映像には、ATに乗った兵士たちの地上戦闘も収められました。初登場のファッティーは、敵側のバララント軍が運用する機体です。予告では、アッシュを追うマキの調査と前線での戦闘が描かれます。

百年戦争末期の前線基地が舞台

物語の舞台は、ギルガメスとバララントという二つの勢力が戦うアストラギウス銀河です。原因が定かではないまま約100年続く「百年戦争」の末期、マキはヴァルキュリアIIの前線基地に赴任します。

マキは、寄せ集めの兵士で構成された懲罰部隊にいるアッシュの調査を密命として受けています。戦場で何が起きているのかを知るため、マキ自身もATのパイロットとして、アッシュの部隊が参加する強行降下作戦に同行します。

本作では、ATに搭乗し、命を消耗品のように扱われる兵士たちのドラマが描かれます。アッシュとマキを中心に、懲罰部隊の兵士や前線基地の人々が登場します。シリーズのテレビアニメは1983年に放送され、本作はその完全新作として制作されました。

ファッティーはスコープドッグを研究して開発

ファッティーはバララント軍のミッド級ATです。バララント軍はスコープドッグを鹵獲して研究し、ギルガメス軍に対抗する機体を開発しました。予告に登場する機体は、ヴァルキュリア戦線向けの派生機です。

機体の設計には、前世代機ブロッカーの考え方が受け継がれています。丸みを帯びた形状は、敵弾を滑らせる「避弾経始」を考慮したものです。ファッティーという呼称は「太っちょ」を意味し、ギルガメス軍側から付けられた通称です。

ブロッカーもバララント軍が開発した主力ミッド級ATで、現在もヴァルキュリア戦線で運用されています。総合性能はスコープドッグに劣り、後継機のファッティーへ機種転換が進められています。作品内では両機が登場し、異なる世代の機体が前線に並びます。

主題歌と公開初日の舞台挨拶

主題歌「名も無き詩人のように」は中島美嘉さんが歌い、高見沢俊彦さん(THE ALFEE)が楽曲を提供します。高見沢さんは押井監督作品のファンで、百年戦争の中で生と死が隣り合う状況を考えながら歌詞を書いたと述べています。

高見沢さんは、ストリングスとギターのリフを対置し、戦場の緊張感を表現したと説明しています。中島さんは、デモのイントロを聴いたときに楽曲の世界観とアニメの情景が広がり、物語に引き込まれたとコメントしました。主題歌を使った予告映像も公開されています。

公開初日の11月20日には、TOHOシネマズ 新宿で舞台挨拶が予定されています。17時の上映後と20時10分の上映前の2回で、押井監督、沢城みゆきさん、安藤麻吹さん、三木眞一郎さん、梶裕貴さんが登壇予定です。特別興行の料金は一律3,000円です。

第1作は11月20日に全国公開され、第2作の公開日は後日発表されます。監督は押井守さん、企画・制作はサンライズ、制作協力はProduction I.Gです。