
台湾で開発された無料のブラウザーゲーム「Fab24hr」は、半導体工場の技術者の仕事を題材にしています。装置の故障や工程の異常への対応を描き、工場経験者からは「ホラーゲーム」や「刑務所」のようだという声もあります。
12章で補聴器向けチップの製造を追う
Fab24hrは、工場で働く技術者の一日を描く3Dゲームです。中国語、英語、日本語に対応し、インストールせずにブラウザーで遊べます。
メインストーリー「The life of a chip」では、補聴器向けチップが研究開発ラインから利用者の手に渡るまでを全12章でたどります。1章あたり約10分で、途中で中断できます。
物語では装置の故障、工程の異常、生産上の緊急対応が起き、運用上のミスについて報告書を作る場面もあります。進行状況や選択によって結末が3種類に分かれます。
交代勤務では故障対応や引き継ぎも
もう一つのモード「A day in the fab」では、研究開発ライン、量産工場、検査・組み立て施設から勤務先を選び、役割を担います。ゲームには31の役割があり、取材時点では開始時に午前6時から正午までのシフトを選べました。
プロセスエンジニアを選ぶと、半導体製造装置「ETCH-03」の停止に対応する状況から始まります。前のシフトからの引き継ぎに手がかりが含まれており、情報を確認して復旧の見通しを伝えます。
TSMCのプロセスエンジニア職では、装置のトラブル対応や日々の運転管理、工程の安定化、量産ラインへの技術移管などが職務に挙げられています。TSMCの職務説明では、研究開発ラインの装置を維持・改善し、工程のばらつきを抑えることも役割とされています。
エッチング工程を題材にした装置トラブル
ゲームに登場するETCH-03の「エッチング」は、ウェハー上の不要な材料を選択的に取り除き、回路パターンを残す工程です。ウェハーは半導体チップの基板となる薄い円盤で、回路を作るには複数の材料層を加工します。
エッチングには液体を使うウェット方式と、プラズマを使うドライ方式があります。方式は加工する材料によって異なります。ドライ方式は複雑で費用もかかりますが、微細な回路形成に広く使われています。
工程では、ウェハー表面全体で削る速度をそろえることが重要です。場所によって加工時間が異なると削る深さに差が生まれ、チップの動作や特性に影響する可能性があります。
現実の手順を再現する訓練ソフトではない
ゲーム内では専門用語が説明され、半導体業界で働いた経験がない人も進められます。一方、登場する工具、ロット番号、数値、手順、人物はすべて架空で、特定企業の実際の規則を表すものではないと運営元は明記しています。
ゲーム内の対応手順を、実際の工場で使われる作業標準と同一視できません。
進行状況はGoogleアカウントに保存でき、別の端末から続けられます。











