
AndroidでNintendo Switch 2向けゲームを動かすエミュレーターと、ゲームのコードを端末上で直接実行する非公式プロジェクトが登場しました。対応作品や端末は限られ、描画の乱れや動作の遅さが残る実験段階です。
Android向けエミュレーターは対応を拡大中
Android向けの「Eden SX2A」は、別プラットフォーム向けの「PokeDinner」を介して「Eglantine」に基づく実験的なエミュレーターです。開発者は保守を終了していますが、Edenの開発チームはSwitch 2ゲームを動かすための修正パッチを受け付けています。
Eden SX2Aの要件はAndroid 13以降、QualcommのAdreno GPU、メモリー16GBです。「小規模なゲーム」では12GBでもよいとされ、端末が要件を満たすか調べる機能もあります。
要件を満たす端末でも、初期テストでは「Mario Kart World」と「Donkey Kong Bananza」の動作は非常に遅く、「Pokemon Pokopia」はプレイ可能な速度で動く例外とされています。作品ごとに動作状況が異なり、端末の性能だけでは実用性を判断できません。
ゲームコードを直接動かすBananaNative
「BananaNative」は、Switch 2ゲームのARM64コードをAndroid端末のCPUで直接実行する非公式アプリです。ゲーム機のCPUコードを別の命令へ変換するエミュレーションとは異なり、ゲームが呼び出すシステム機能を小規模なホスト側プログラムが受け持ちます。
グラフィックスでは、Switch 2のNVN命令をVulkan上で再構成します。Switch 2はARM Cortex-A78Cを8基、Ampere世代のGPU、12GBのLPDDR5Xメモリーを搭載し、システム用に3GBを確保しています。異なる端末上でゲームを動かすには、CPU命令の実行に加えて、ゲームの描画処理やシステム機能も扱う必要があります。
BananaNativeの開発者が試したのは、Snapdragon 8 Elite Gen 5とメモリー16GBを搭載する1機種です。「Donkey Kong Bananza」はフレーム生成をオフにした状態で、Qualcomm標準ドライバーを使うと1080pで毎秒30〜60フレーム、Turnipドライバーでは720pで約30フレーム、1080pで約20フレームでした。
対応状況と端末側の条件
BananaNativeでは、ゲームデータを各自で用意し、対応する形式とバージョンを使う必要があります。プロジェクトの要件はAndroid 13以降、Snapdragon搭載端末、Adreno GPU、メモリー12GB以上です。NSPとXCI形式のファイルには対応していません。
「Donkey Kong Bananza」はプレイ可能とされる一方、洞窟の一部でテクスチャーが乱れることがあります。「Mario Kart World」は作業中で、レース後にキャラクター選択画面へ戻ると3D表示が暗転するなどの問題が残っています。
初回のエリア訪問ではシェーダー構築による処理落ちが起き、端末が熱くなると性能が低下します。フレーム生成で表示上のフレームレートを引き上げる機能もありますが、遅延が増える場合があります。開発者の測定は1機種に限られており、他の端末で同じ結果になるとは限りません。
初代Switchエミュレーターを巡った法的措置
初代Switch用エミュレーター「Yuzu」を巡り、Nintendo of Americaと開発元のTropic Hazeは2024年に和解し、連邦地裁は240万ドル(約3億8,000万円)の支払いを命じました。裁判所は、Yuzuが暗号鍵を使ってゲームを復号する仕組みなどを認定しました。
和解に伴い、YuzuはGitHubのページとDiscordサーバーを閉鎖しました。裁判所の恒久的差止命令は、Yuzuやそのコードを使った複製の配布などを禁じています。
その後、NintendoはYuzuの派生プロジェクト「Suyu」「Sudachi」に関連するDiscordサーバーや、Switchソフトの復号に関係するツールにも削除要請を行いました。こうした経緯のなか、Switch 2向けのエミュレーターや移植プロジェクトも非公式に進んでいます。










