Rockstar Gamesは『Grand Theft Auto VI』(GTA 6)の制作で、8週間ごとにゲームの一部を組み合わせて評価し、次の期間に取り組む内容を決めています。広大な世界を構築する一方、街を歩く人々の会話には専任の執筆チームを設け、個々のやり取りまで作り込む体制を取っています。本作は2026年11月に発売予定です。
8週間ごとにゲームの一部を組み合わせて評価
Rockstar Northで開発責任者とスタジオ共同責任者を務めるロブ・ネルソン氏によると、制作はゲーム内で使う素材や仕組みを作り、各開発分野の内容を大まかに形にするところから始まります。その後、8週間を区切りとするマイルストーン、つまり進捗を評価する節目ごとに、あらかじめ合意したゲームの部分を組み合わせます。
チームはその成果を評価し、多くの指摘事項を記録して、次のマイルストーンで重点的に取り組む内容を決めます。ネルソン氏は、完成したゲームで実現したい感覚を意識しながら、年単位でこの作業を続け、途中で方向を修正していくと説明しています。
ネルソン氏は、過去の作品も批判的に振り返り、時間や資源、技術上の制約によって十分に実現できなかった点や、検討が足りなかった点を改善対象にすると述べています。調整の多くは、うまく機能している点と、していない点を見極めながら繰り返すとしています。
マイルストーンでは各分野の成果を動く体験にする
一般的なゲーム開発には、初期の素材と基本的なゲームの仕組みを接続する「First Playable」や、完成時の品質を短い区間で示す「Vertical Slice」など、評価目的の異なる節目があります。名称や到達基準はスタジオによって異なります。
Vertical Sliceは、ゲームの特徴となる遊びを、短くても開始から終了までつながった体験にまとめるものです。設計、プログラム、映像、アニメーション、音声、操作画面などを一つのプレイ可能な状態に統合し、組み合わせたときに意図した体験になるかを検証します。
評価する内容には、プレイヤーの行動、技術上のデータ、制作に要した作業量が含まれます。社内向けの節目では、技術的な実現可能性や制作できる素材の量、メモリーの使用量、キャラクターの行動、同じ制作工程を繰り返せるかといった点が判断材料になります。
歩行者の会話を専任チームが執筆
GTA 6の世界には150種を超える動物と数百の車両が登場します。街の住人についても、Rockstarはロサンゼルスに歩行者の会話だけを執筆するチームを設け、現地の制作チームと密接に連携して、数千の個性の異なるNPCを制作しています。NPCは、プレイヤーが直接操作しない登場人物です。
オープンワールドの会話執筆を統括するジェームズ・ホートン氏は、広さや多様性だけでなく、小さな部分を近くで見ても自然に感じられる世界を目指していると説明しています。そのために、適切な人材へ必要な資源を提供することを重視しているとしています。
ホートン氏が挙げる目標は、混雑した通りを走り抜けるときには多数の会話の断片が耳に入り、立ち止まって一つの会話を聞いたときにも説得力があることです。
『レッド・デッド・リデンプション2』では世界の拠点を一つのチームに統合
Rockstarが複数拠点を連携させて大規模な世界を制作した例には、西部を舞台にした『レッド・デッド・リデンプション2』があります。同作では各スタジオを一つの大きなチームにまとめ、約1,600人の開発者を含む、全体で約2,000人が制作に関わりました。
脚本を担当したダン・ハウザー氏は、世界各地のオフィスにいるアニメーション、美術、ゲームプレイの責任者と、ビデオ会議で脚本の読み合わせを行いました。
同作では、俳優が場面ごとに演技を収録する間も、執筆陣が脚本の作業を続けていました。Rockstarは身体の動きを記録するモーションキャプチャーに加え、顔を撮影するカメラも使い、表情を後のアニメーション制作に取り込んでいました。









