ValveはSteam上で生成AIを使ったゲームの複製が問題になっているとの指摘に対し、開発者自身が作品を模倣されにくくする方法を示しました。Steamの推薦機能は、開発者に露出の機会を与えながら、利用者の好みに合わせて表示を調整する設計です。
Valveが開発者に促した複製対策
Steam Indie Connectのイベントで、Valveのトム・ジアルディーノ氏とマーク・ウィルキンソン氏は、AIを使ったゲームの複製や、複製をほのめかして金銭を要求する脅しについて質問を受けました。ジアルディーノ氏は、Valveが開発者の使うツールを選別する考えはないと述べています。
同氏が挙げた対策は、作品のコミュニティを育て、開発者と利用者の信頼を築くことです。正規版を最良の体験にすることも、複製への備えとして示しました。
ゲームの仕組みが単一で模倣しやすい場合は、機能を追加し、開発者自身の視点に基づく個性や創造性を育てるよう勧めています。複雑さを増すことを、作品を複製しにくくする手段と位置づけました。
Steamの推薦機能が担う役割
ウィルキンソン氏によると、Steam Next Festでは最初の2日間、利用者にゲームをほぼランダムに表示します。その後は利用者の好みに合わせた推薦へ移り、イベント参加作品にまず露出の機会を与える設計です。
この初期表示には、品質の低いゲームも目に触れるという課題があります。ウィルキンソン氏はこのトレードオフを認識しており、問題の解決策を検討している人は多いと述べました。
Valveは、開発者のアクセスを制限するのではなく、Steamをより賢く動的なプラットフォームにすることを出発点にするとしています。
新作の増加と個人開発者の露出
2026年にSteamで発売されたゲームは、11月を前に約2万3,000本に達しました。新作の多さは、利用者が作品を探す際だけでなく、小規模な開発者が注目を集めるうえでも課題になっています。
Next Festには低制作コストのデモが多数集まり、開発者は作品やデモの公開後に複製されることを警戒しています。Valveの推薦設計は初期の露出機会を設けていますが、複製への不安そのものを解消する仕組みとは別の対応です。
Eurogamerは、発売前に観客を得る機会がなければ、コミュニティや信頼を築くのも難しいと指摘し、法的対応には費用がかかり、小規模な開発者の負担になり得るとの見方を示しました。
著作権侵害の申し立てに使える手続き
Steamには、著作権侵害を申し立てるためのDMCA(米国の著作権法に基づくオンライン上の削除手続き)窓口があります。Valveは侵害の申し立てを受けた場合、対象のコンテンツを一時的に削除するとしています。
削除を不服とする側は、削除対象と掲載場所、誤認による削除だと信じる旨の宣誓、氏名・住所・電話番号などを含む異議申し立てを提出できます。申し立てを受けた権利者側には、法的手続きを開始するための10営業日が設けられています。
その期間内に法的手続きの通知がValveへ届かなければ、削除されたコンテンツは再掲載されます。この手続きは著作権侵害の申し立てに関するものであり、AIを使ったゲームの類似性をめぐる問題が、同じ手続きだけで解決するとは限りません。









