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科学

Apple Watchの新作動画、心拍数通知の体験と運動習慣を紹介

Appleは「True Apple Watch Story」シリーズの新作動画2本を公開しました。1本は高心拍数の通知を受けたMorganさんの体験、もう1本はアクティビティリングを使って活動量を増やしたJoshさんの経過を取り上げています。

土壌細菌由来の抗マラリア候補、耐性原虫の99.9%を除去

フロリダ大学ワートハイム・UFスクリップス研究所の研究チームが、土壌細菌から抗マラリア候補化合物「SPA」を見つけました。培養した血液と肝細胞で、多剤耐性の熱帯熱マラリア原虫を99.9%除去したとされます。原虫の生活環の複数段階に作用する候補として研究が進められています。

AI設計の遺伝子編集ツールで細菌性白葉枯病に強いイネを作製

ミズーリ大学の研究チームは、AIが設計した遺伝子編集ツールを使い、細菌性白葉枯病に抵抗性を持つイネを作製しました。この病気は収量や品質を損ない、アジアやアフリカの一部地域では収穫や農家の生計を脅かしています。

トマトペーストを3カ月摂取した試験で注意力と顔・名前の記憶に小幅な改善

健康な40〜55歳の成人を対象にした試験で、濃縮トマトペーストを3カ月間毎日食べた期間は、リコピンを制限した食事の期間と比べ、選択的注意と顔・名前の照合成績が改善しました。一方、実行機能の検査では変化が見られず、脳画像の結果も少人数の予備的な分析です。試験で使われたリコピン量は、成人が通常の食事から摂る量の目安を上回っていました。

野生ボノボの10年観察、雌が獲物の捕獲で大きな役割

コンゴ民主共和国のルイコタレで、野生ボノボ2群の狩猟行動を約10年間観察した研究が発表されました。記録された415件の捕獲では、雌が多くの獲物を捕らえ、地上性の有蹄類と樹上性の霊長類の両方が主な獲物でした。

貝殻の多様な形を三つの要素で表す成長モデル

カリフォルニア工科大学のHuan Liu氏とKaushik Bhattacharya氏は、軟体動物の殻の形を、成長前線の曲線、拡大率、回転を表すベクトルの三要素で記述する数学モデルを示しました。研究者らは、この枠組みで既知の軟体動物の殻のほぼすべてを表せるとしています。

老化細胞の炎症経路を標的にする研究、マウスで改善とヒト試験の結果

老化細胞は分裂を止めた後も体内にとどまり、炎症に関わる物質を放出します。メイヨー・クリニックの研究チームは、こうした細胞の種類や炎症を起こす仕組みを調べた7件の研究を発表しました。研究では、細胞を取り除く方法に加え、炎症を生む経路を抑える方法も検討されています。

週1〜2回の壁スクワット、血圧への効果を4週間追跡

壁に背をつけて腰を落とし、一定の姿勢を保つ壁スクワットを週1〜2回続けた人では、8週間の研究期間の終わりにも収縮期血圧の低下が保たれました。週3回続けたグループでは低下幅がさらに大きく、運動をやめたグループでは改善が薄れました。ただし、頻度を減らした場合に保たれた効果は短期間の結果です。

NASA、Artemis IIIで地球低軌道の着陸船ドッキングを実証へ

NASAのArtemis III(アルテミスIII)は、月面着陸ではなく地球低軌道で、Orion宇宙船とBlue Origin、SpaceXが開発する月着陸船の試験機との運用を確かめる計画です。2027年に4人の宇宙飛行士が参加し、3機の宇宙機を別々のロケットで打ち上げて、ドッキングや機器の連携を試します。 この飛行で得る運用経験は、2028年以降の月面着陸に向けた準備の一部となります。

抗生物質の欧州生産を巡り、Sandoz CEOが調達価格の見直しを求める

抗生物質の有効成分を中国からの輸入に頼る欧州で、Sandozのリチャード・セイナーCEOが、域内生産を維持するため薬の調達価格を見直すよう求めています。EUのペニシリン系抗生物質とその誘導体の輸入に占める中国の割合は、2019年の44%から昨年は86%に増えました。

乳児サルでCCR5標的抗体後、SIVが最長4年間検出されず

乳児のアカゲザルに実験的なCCR5/CD3二重特異性抗体を1回投与したところ、抗レトロウイルス治療の終了後も、複数の個体でサル免疫不全ウイルス(SIV)が長期間血中から検出されませんでした。最長の個体では約4年間、ウイルスの再増殖が確認されていません。ヒトのHIV治療として有効性や安全性が確かめられた段階ではなく、早期感染した乳児ザルでの研究結果です。

幸福研究者が重視する人間関係と「幸福のパイ」モデルへの異論

幸福研究者たちは、身近な人との関係や価値観に沿った活動を、よい人生を支える要素として挙げています。サイモンフレーザー大学のララ・アクニン教授ら13人は、幸福研究の知見と自身の経験を振り返り、幸福を常に気分よく過ごすこととは区別しました。

「霊芝」と欧州産G. lucidumを区別 245年ぶりに基準標本を指定

欧州産のキノコGanoderma lucidum(G. lucidum)に、245年ぶりにDNA解析が可能な基準標本が定められました。研究では、薬用キノコとして知られる東アジアのG. lingzhiとは別種であることを確認し、G. lucidumの英名として「False Lingzhi」を提案しています。分類の基準が整ったことで、両種の取り違えや、種名に基づく研究データの混同を見直す手がかりになります。

ローマ時代の「リュクルゴスの杯」、色が変わるガラスの再現に成功

4世紀に作られたローマ時代の「リュクルゴスの杯」は、反射光では翡翠色、透過光ではルビー色に見えるガラス製品です。シェフィールド大学の技術者らは、破片を基にした配合でこの性質を再現し、現代のガラスとしてまとまった量を作りました。

久慈琥珀博物館、白亜紀の琥珀と採掘体験を紹介

久慈市郊外は古くから琥珀の採掘が行われてきた地域です。久慈琥珀博物館は琥珀を専門に扱う国内唯一の博物館で、世界各地の琥珀や、久慈地方で産出する琥珀を展示しています。

紀元前709年の日食記録、地球の自転と太陽活動の復元を精密化

紀元前709年に中国の魯国で観測された皆既日食の記録を、研究チームが古代都市の位置情報と現代の天文学的計算を組み合わせて再検討しました。都の位置を約8キロ修正した結果、当時の地球の自転をより正確に推定でき、太陽活動の復元にも手がかりが得られました。

熱を迂回させて赤外線カメラから物体を隠す3Dクロークを開発

米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校などの研究チームが、物体を赤外線カメラから見えにくくする立体的な熱クロークを製作し、実験で動作を確かめました。熱を遮断するのではなく、物体の周囲へ流すことで、外側の温度分布を物体がない場合に近づけます。

膵がんの診断前CTから兆候を捉えるAI「REDMOD」、平均475日前に検出

膵臓のCT画像を解析するAI「REDMOD」は、膵管腺がんの診断より平均475日前に、通常の画像読影では見つからなかった兆候を検出しました。独立した検証セットでの検出感度は73.0%で、放射線科医の38.9%を上回りました。臨床で使うには、高リスクの人を対象とした前向き検証が必要です。

世界各地で10月のハンターズムーンを撮影、来月はスーパームーン

10月の満月「ハンターズムーン」が週末、米国や英国、イタリアなど各地の夜空に現れ、撮影されました。北半球で秋の満月が長く見えやすいのは、季節によって月の出の時刻が変化するためです。来月はスーパームーンが見られる見通しです。

CBNのマウス実験で耐性と離脱反応、日本では含有製品を規制

カンナビノール(CBN)を繰り返し与えたマウスで、薬への耐性と投与中止後の反応が確認されました。人への影響はまだ明らかになっていません。日本では2026年6月から、CBNを含む製品の製造や販売などが原則禁止されています。

小人幻視を起こすキノコ、DNA解析で中国とフィリピンの種を特定

中国南西部とフィリピン北部で報告されてきた「小人幻視」に、キノコの一種ランマオア・アジアティカ(Lanmaoa asiatica)が関与するとDNA解析で特定されました。このキノコから既知の幻覚性成分は見つかっておらず、研究チームは未特定の化合物が関係している可能性を調べています。人の姿が見える幻覚を比較的安定して引き起こすとされる点は、脳が視覚を形づくる仕組みを調べる手掛かりになり得ます。

地中海食との関連でミトコンドリア由来の2種の小型タンパク質に注目

高齢者を対象にした研究で、地中海食に近い食生活を送る人ほど、ミトコンドリアが作る小型タンパク質「Humanin」と「SHMOOSE」の血中濃度が高いことが分かりました。研究チームは、食事と細胞の健康をつなぐ仕組みの候補として注目しています。ただし、この観察結果だけでは、食事が濃度を高めたとは結論づけられません。

褐色矮星を回る木星級の太陽系外衛星候補を検出

天文学者たちは、恒星CD-35 2722の周囲にある褐色矮星を回る、木星以上の質量を持つ天体の証拠を得ました。確認されれば、太陽系外で初めて検出された衛星となる可能性があります。

米陸軍、2030年代初頭までに基地へ小型原子炉20基の導入を計画

米陸軍は、送電網が停止しても重要設備を稼働させられるよう、米国内の基地へマイクロリアクター(輸送可能な小型原子炉)を導入する計画です。マイクロリアクターは月面や深宇宙の電源としても開発されていますが、実用化には出力や安全性の実証が必要です。

HIV潜伏を支えるENL・USP7・BRD4経路を特定、治療標的の候補に

ノースカロライナ大学医学部の研究チームは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が治療中も免疫細胞などに潜伏するのを助ける経路を特定しました。ENL、USP7、BRD4の3つの宿主タンパク質が連携し、ウイルスの潜伏状態を維持します。

テストステロンの低値・高値と心房細動、関連を示す研究を総覧

テストステロン値が低い場合も高い場合も、心房細動リスクの上昇との関連が報告されています。ただし、ホルモン値が心房細動の原因だとは確定しておらず、補充療法で心房細動を防げるかも分かっていません。治療を検討する際は、対象となる患者や評価した心血管イベントの違いを踏まえて結果を読む必要があります。

化学修飾した糖からナノ多孔質カーボンを直接合成

産業技術総合研究所(産総研)の研究グループは、アルキル鎖を結合させた糖を水熱処理し、テンプレート剤を使わずにナノ多孔質カーボンを合成しました。糖の種類を変えると、球状の細孔を持つ材料に加え、層状のナノ構造も得られます。テンプレートを使い捨てる従来法に代わる合成法として、電極材料や触媒担体への応用が想定されています。

チンパンジーの内在性ウイルス配列が脳発達に関わるRNAを抑制

ヒトとチンパンジーの脳の違いに関わる仕組みとして、チンパンジーのゲノムに残る古代のレトロウイルス配列が、脳の発達に関係するRNAの働きを抑えることが示されました。研究チームはこの配列を、幹細胞から作った細胞や脳オルガノイドで調べ、遺伝子の働きと神経細胞の成熟への影響を検証しました。

電流で回転し電気伝導も高める単分子モーターを開発

アウクスブルク大学などの国際研究チームは、電流で回転するらせん状の分子モーターを開発しました。分子が回転すると電気伝導度が高まり、電流が最大で約100倍に増える仕組みです。研究チームは、電流で駆動し、回転方向を制御できる分子モーターを初めて実証したとしています。

胸骨への振動を加えた瞑想、トラウマ経験者の身体意識と白質に変化

胸骨への振動を加えたマインドフルネス瞑想を受けたトラウマ経験者では、身体への意識が改善し、脳の白質の一部で神経突起密度が増加しました。116人を対象とした研究では、振動を加えない瞑想と比べて、解離症状の変化にも違いがありました。これは進行中の臨床試験の中間解析です。

AIがマッコウクジラの8〜10回のクリック列から採餌潜水を予測

マッコウクジラのクリック列を調べるAI研究では、8〜10回のクリック列を手掛かりに採餌潜水を予測します。クリックの並びと行動の結び付きは、クジラの音声に行動情報が含まれる可能性を調べる手掛かりになります。ただし、行動を予測できることと、クジラが行動について意味を伝えていることは別の問いです。

幼少期の砂糖制限、数十年後の認知症リスク低下と関連

英国の砂糖配給期に胎内と乳幼児期を過ごした人は、配給終了後に生まれた人と比べ、後年の認知症や精神疾患のリスクが低い傾向を示しました。脳画像の分析では、脳年齢が実年齢よりわずかに若い傾向でした。

猫1,305匹の調査、ヴィーガン食群で過体重の割合が低い傾向

猫1,305匹を対象にした横断調査で、ヴィーガン食を1年以上続けた猫は、肉を使った食事の猫より過体重と判定される割合が低い傾向を示しました。ただし、差は統計的に有意ではなく、研究チームは探索的な結果として慎重に解釈するよう求めています。

メキシコ湾の深海生物、Deepwater Horizon事故後も10年以上減少続く

メキシコ湾の深海域では、2010年のDeepwater Horizon事故後、魚類や甲殻類、頭足類の個体数が大きく減り、その状態が10年以上続いています。2011年から2015年までの約3年半に、分類群によって個体数は60〜85%減少しました。研究チームは、地球最大の生態系タイプで報告された動物相の減少のうち、最も速く深刻な例だと位置づけています。

創薬AI企業Pathos、2億3,700万ドル(約370億円)を調達し評価額は約30億ドル(約4,700億円)に

創薬AI企業のPathosは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が主導するシリーズEの資金調達で2億3,700万ドル(約370億円)を調達し、評価額は約30億ドル(約4,700億円)となりました。Pathosはがん領域を中心に進めてきた事業を神経疾患にも広げ、BMSとの提携ではアルツハイマー病の治療薬開発に取り組みます。

細胞を短時間圧縮するCRISPRa手法、マウス皮膚細胞の神経細胞化率を約40%に

UCLAの研究チームは、皮膚細胞を短時間圧縮してDNAを開きやすくし、CRISPRaで遺伝子を活性化する手法を開発しました。マウス細胞では、事前に細胞を準備する工程を加えると、ニューロンになった細胞の割合が約40%に上がりました。この手法は、細胞の種類を変える研究や薬剤試験への応用が考えられます。今回の結果はマウス細胞で得られました。

光で泳ぐ薄膜ロボット、MITが生きた筋細胞で実証

MITの技術者らは、生きた骨格筋細胞を動力にして水中を進む薄膜型の小型ロボットを開発しました。細胞に光を当ててひれを動かし、進行方向と速度を制御します。細胞の配列や土台となるゲルを調整し、筋肉の収縮で推進力を生み出しました。

青斑核のノルアドレナリン信号、脳の行き先ごとに異なる経路を形成

マウスの脳幹にある青斑核は、ノルアドレナリンを脳全体へ一様に送るのではなく、神経細胞の集団ごとに異なる領域へ信号を送っていました。学習課題で活動する細胞群も確認され、注意や行動に関わるこの神経系の働きを経路ごとに捉えた研究成果です。

パーキンソン病の7年追跡研究、運動量が多い人ほど認知・運動機能の低下が緩やか

パーキンソン病の成人294人を最長7年間追跡した研究で、身体活動の多い人ほど、思考・記憶と運動症状の悪化が緩やかな傾向が見られました。 週8時間を超えて活動したグループでは、認知機能テストの平均点がほぼ変化しませんでした。 ただし、運動が症状の進行を遅らせたと証明する研究ではなく、活動量と変化の関連を示したものです。

鬼界カルデラ直下で新たなマグマの再注入を確認、深さ2.5〜6キロに貯留域

日本の鬼界カルデラの地下で、約7,300年前の巨大噴火に関係するマグマだまりに、新しいマグマが再び供給されていることが分かりました。神戸大学などの研究チームは海底地震探査で、カルデラ直下の深さ2.5〜6キロに部分溶融域を捉えました。この知見は、巨大噴火後にマグマだまりがどのように再形成されるかを考える手がかりになります。

NTT、低軌道衛星MIMOで通信容量最大2.67倍を確認

NTTと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、低軌道衛星を使った通信実験で、複数アンテナによる通信容量の向上と、地上のIoT端末から同時に届く信号の分離を確認しました。実験では従来の単一アンテナ方式に比べ、通信容量が最大約2.67倍になりました。地上の通信網が届きにくい場所でのIoT利用や、衛星観測データの伝送に向けた技術検証です。

運動とアディポネクチンがマウスの卵巣老化を遅らせる可能性

運動習慣と、脂肪細胞などから分泌されるホルモン「アディポネクチン」に関連する仕組みが、マウスの卵巣老化を遅らせる可能性があります。ただし、人の妊孕性や閉経年齢への効果は実証されておらず、薬剤アディポロンも臨床試験前の段階です。

Starship月着陸船の燃料補給に22回の打ち上げ推定

NASAの安全諮問パネル委員は、Artemis IVでStarship月着陸船を支える推進剤補給に、直近の推定で約22回の打ち上げが必要だと述べました。 SpaceXのイーロン・マスク氏は6〜8回との見方を示しています。

チベットでM7.0の地震、少なくとも16人死亡

チベットでマグニチュード7.0の地震が発生し、少なくとも16人が死亡しました。中国では2024年1月以来、最も強い地震です。監視カメラの映像には、揺れが起きた瞬間が複数記録されています。

軍用犬開発のWarhound、2億ドル(約310億円)を調達 遺伝子編集と装備の開発へ

軍用犬などの開発を目指す米スタートアップWarhoundが、1億2,000万ドル(約190億円)の企業評価額で2億ドル(約310億円)を調達し、事業を公表しました。出資者にはIn-Q-Tel、Sequoia、8VCが含まれます。同社は、爆発物の探知や捜索など、人間には危険で機械では難しい任務を想定しています。

天然化合物オバクラクトン、ラットで関節リウマチの炎症と関節損傷を抑制

関節リウマチのラットモデルで、植物由来化合物オバクラクトンが関節の腫れや軟骨の損傷を抑え、炎症に関わる免疫反応を変化させました。作用の鍵は、脂肪酸代謝に関わるタンパク質ACOT1の分解です。標準治療とは異なる代謝経路を狙う候補ですが、効果が調べられたのはラットと培養細胞で、ヒトでの治療効果を示す段階には至っていません。

手根管症候群の63人試験、超音波ガイド下の生理食塩水注入で症状改善が6カ月続く

手根管症候群の患者63人を対象にした無作為化比較試験で、超音波ガイド下のハイドロディセクションを受けたグループは、ステロイド注射のみのグループより、痛みやしびれ、手の機能の改善が長く続きました。この処置は平均約15分で、手首の正中神経の周囲に生理食塩水を注入し、神経と周辺組織を分ける方法です。

LSDで脳波の周波数が上昇、脳活動の複雑さも増加

LSDを投与された人では、脳のアルファ波とベータ波の周波数が上がり、脳活動の信号はより複雑でフラクタルな構造を示しました。17人の脳磁図データを再解析した研究で、従来の「脳波が弱まる」という見方だけでは捉えにくい変化が報告されています。脳信号の変化と視覚上の模様との直接的な関連は実証されていません。

白亜紀のヘビ化石、地中生活を示す頭蓋と内耳の特徴

ブラジルで見つかった約8,000万年前のヘビの化石から、地中生活への適応を示す頭蓋骨や内耳の特徴が確認されました。別の初期ヘビ化石との比較から、白亜紀にはすでに異なる環境に適応したヘビがいたことが分かります。現生ヘビの起源を一つの生息環境に結びつけるのは容易ではありません。

Microsoftの医療AI、模擬症例で一般医を上回る診断精度

Microsoftの医療AI「MAI-DxO」は、模擬症例を使った評価で一般医より高い診断精度を示しました。患者の訴えを受けて追加の質問や検査を選ぶ方式で、診断精度と検査費用をあわせて評価しました。ただし、この結果は実際の診療で患者の診断や転帰が改善することを示すものではありません。

南アフリカで約200万年前の成人ホモ・エレクトス化石を確認

南アフリカのドリモレン洞窟で見つかった化石から、ホモ・エレクトスが約200万年前に同地にいたことを示す証拠が加わりました。新たに記載された成人の頭骨片は、同種が南部アフリカに現れた時期を従来の見方より約20万年さかのぼらせます。

北海のSilverpitクレーター、衝撃鉱物と地震探査で小惑星衝突の痕跡と確認

約4,300万〜4,600万年前、北海の海底に直径約160メートルの小惑星が衝突し、現在のSilverpitクレーターを形成したとする研究結果が発表されました。地震探査と岩石試料から得た証拠は、衝突説を支持しています。衝突時には高さ1.5キロメートルの岩石と海水の柱が生じ、100メートルを超える津波につながったと推定されています。

46万人超の追跡研究、超加工食品全体と大腸がん発症の関連を確認せず

米国の50〜71歳の男女461,682人を対象にした研究では、超加工食品の摂取量全体と大腸がんの発症率に関連は見られませんでした。一方、食品群別に見ると、超加工食品に分類された食品のうち、全粒穀物や乳製品は発症率の低さ、加工肉は高さと関連していました。

ナチス・ドイツのB8原子炉は核分裂連鎖反応に必要な重水とウランが不足していた

第二次世界大戦末期にドイツが開発していたB8原子炉は、持続的な核分裂連鎖反応に必要な重水とウランが不足していました。新たな分析は、開発を率いたヴェルナー・ハイゼンベルクが戦後に述べた「完成間近」という見方を退け、原子爆弾につながる原子炉の実現には至っていなかったと結論づけています。

コンゴ民主共和国のエボラ流行、発生約150日で過去の大流行を上回るペース

コンゴ民主共和国(DRC)で2026年に始まったエボラ流行は、発生から約150日の時点で8,978件の症例が報告されました。これは、2014年の西アフリカ流行の同時期にあたる2,599件を上回る数です。その後も症例は増え、発生から5カ月の時点でDRCの確定症例は9,415件、死者は4,536人に達しています。

戦闘機パイロットの長引く頭痛、原因はサイズの合わないヘルメット

インド空軍の戦闘機パイロットを18カ月悩ませた頭痛は、片頭痛ではなく、きついヘルメットによる外部圧迫性頭痛でした。適正サイズのヘルメットに替えると症状は止まり、5カ月後も再発していません。飛行任務に影響する頭痛では、装備との関係も診断の手掛かりになります。

茶の低温耐性に関わる遺伝子CsOG3、CsMYB44が発現を促進

茶の低温耐性に関わる遺伝子CsOG3の働きと、その発現を促す転写因子CsMYB44との関係が明らかになりました。茶の苗でCsOG3の働きを抑えると低温耐性が下がり、茶とタバコで過剰発現させると耐性が高まりました。

大豆オカラ由来ペプチドを混ぜた3Dプリント用素材、創傷ケアへの可能性を検証

大豆食品の製造過程で生じるオカラからタンパク質加水分解物を取り出し、ポリカプロラクトン(PCL)に混ぜた3Dプリント用素材が開発されました。ヒト真皮線維芽細胞を使った試験では、配合成分に抗酸化作用と抗炎症作用が見られ、創傷治癒への応用可能性が検討されています。

ロン・ウォレス氏のカボチャ、重量1,431.5キロで世界記録を更新

米ロードアイランド州のロン・ウォレス氏が育てたカボチャが、2026年10月10日の計量会で1,431.5キロを記録しました。カボチャとして初めて1,360キロを超え、ギネス世界記録の「最も重いカボチャ」に認定されています。前の記録を約1週間で更新し、果実全体でも初めて1,360キロを超えました。

植物の電気信号を読むAI、Electric Plantが1,120万ドル(約18億円)を調達

Electric Plantは、植物の茎を流れる電気信号を読み取り、植物の状態を栽培者に伝えるセンサーとAIモデルを開発しています。同社はシードラウンドで1,120万ドル(約18億円)を調達しました。植物の電気信号は環境への反応や生理状態に関わり、同社はその解析を農業や林業での活用につなげようとしています。

SpaceX、StarshipとSuper Heavyの発射塔回収を来月の試験飛行で計画

SpaceXは来月を目標とするStarshipの次回試験飛行で、宇宙船Starshipと第1段ブースターSuper Heavyの両方を発射塔で回収する計画です。実現すれば、軌道打ち上げ機の全段を回収する初の事例になるとイーロン・マスクCEOは述べました。マスク氏は成功を保証しておらず、次回に失敗した場合も年内に試験飛行を続ける見通しを示しています。

うつ病の約4分の1に体内時計の乱れを伴う新たな分類を提案

オーストラリアの研究チームが、睡眠や気分の季節変動などを特徴とする「サーカディアンうつ」といううつ病のサブタイプを提案しました。11,380人を調べた結果、2,604人がこの分類に当てはまり、重いうつ病を繰り返す人などの約4分の1にみられる可能性があるとしています。ただし、診断基準として確立した分類ではなく、臨床で治療を選ぶ根拠にするには追加の研究が必要です。

アルギリンB、腸内細菌叢を保ちながらC. difficileを抑制 マウスで効果

研究チームは、抗菌物質アルギリンBが腸内細菌の一種である Clostridioides difficile(C. difficile)に作用し、腸内の有益な微生物への影響を抑える可能性を示しました。実験室と感染マウスで効果を確認したと報告していますが、臨床で使える治療薬になるかは今後の研究で検証されます。

ビタミンCの第2相試験、血液疾患患者の生存率に探索的な差

血液の前がん状態や早期の血液がんを対象とした第2相試験で、1年間ビタミンCを摂取した患者は、プラセボ群より有害事象が少なく、約3年後の生存率にも差が見られました。ただし、生存率の結果は探索的な分析であり、研究者らはより大規模な第3相試験で検証する必要があるとしています。

北極海の湧出域で水素を生む細菌を採取、研究者は生態系の変化を追う

北極海の海底で、メタンなどが湧き出す「冷湧水域」に暮らし、水素を生み出す細菌の採取が進んでいます。研究チームは細菌の遺伝子や酵素を調べ、水素燃料の製造に応用できるか探っています。気候変動で北極の環境が変わるなか、生態系の記録と研究も続けています。

SpaceX、Starfall回収カプセルを2度目の打ち上げで軌道へ投入

SpaceXは10月20日、Falcon 9ロケットによる相乗りミッション「Bandwagon-5」で、回収カプセル「Starfall」を打ち上げました。Starfallの打ち上げは今回が2度目です。ミッションではStarfallを含む32基のペイロードが運ばれました。

がん免疫療法後の関節炎、再発時に免疫細胞の活動が強まる可能性

免疫チェックポイント阻害薬による治療後、関節の炎症が繰り返し起き、再発時に症状が強まる場合があります。患者6人の関節液を調べた研究では、初回と再発時の両方に現れる免疫細胞が見つかりました。この結果から、過去の炎症に関わった細胞が再び活動する可能性が示されました。

老化する脳は記憶の細部より経験の意味を重視する可能性

年齢を重ねると、出来事の細部を思い出す力が変化する一方、経験を結び付けて大きな意味を捉える働きが強まる可能性があります。アリゾナ大学の研究者らは、この変化を単なる衰えではなく、脳が人生の段階に応じて記憶の使い方を変える「適応的老化仮説」として提案しました。

超加工食品の摂取量が多い人ほど脳の血管障害の所見が多い傾向

カナダの中年成人を対象とした研究で、超加工食品の摂取量が多い人ほど、MRIで脳の血管に関連する損傷の所見が多い傾向が見られました。自覚症状がない人にも所見が確認されましたが、食事が損傷を引き起こしたと示す結果ではありません。

大麻を多く使う学生ほど共有意向が低く、他者と使う頻度も下がる傾向

米国の大学生を対象にした調査では、過去1カ月の大麻使用日数が多い学生ほど、仮想の大麻を他者に分ける割合が低く、他者と一緒に使う頻度も低い傾向が見られました。研究チームは、共有課題の得点と実際の使用状況を照らし合わせ、使用頻度との関係を調べました。

空腹時のショウジョウバエでオクトパミン神経が酒の記憶と選好に関与

空腹のショウジョウバエは、特定の匂いとエタノールを結び付ける学習が速くなります。この変化には、空腹時に働く神経細胞が関与します。研究では、昆虫の神経伝達物質オクトパミンが、エタノールを報酬として記憶する回路に影響することが示されました。この仕組みは、空腹などの状態が環境中の手掛かりと飲酒欲求の結び付きにどう関わるかを調べる手掛かりになります。

SanaHeal、濡れた組織を封止するハイドロゲル接着剤を開発

SanaHealは、濡れて凹凸のある組織に素早く貼り付き、空気や液体を通さない封止を目指す生体接着剤を開発しました。外傷による出血を止める用途では規制当局の承認を得ており、手術中の止血や損傷組織の修復に向けた臨床試験を2027年に始める予定です。

ベーリング海の交雑ガニが過去平均の13.4倍に 海洋熱波後のズワイガニ減少が影響

2018〜2019年の海洋熱波後、ベーリング海でズワイガニとタラバガニ(Tanner crab)の交雑個体が急増し、2025年には過去平均の13.4倍に達しました。研究チームは、熱波によるズワイガニの減少で競争や捕食が弱まり、交雑個体が増えたと分析しています。交雑個体は漁獲枠の管理対象に十分組み込まれておらず、資源回復と漁業管理の両面で課題になっています。

ユークリッド宇宙望遠鏡、地球から約13億キロ離れた新彗星を発見

欧州宇宙機関(ESA)のユークリッド宇宙望遠鏡が、これまで知られていなかった彗星を初めて発見しました。新天体は10月8日に確認され、地球から約13億キロ離れた位置にあります。銀河を精密に観測する望遠鏡が太陽系の天体を捉えたこの発見は、将来の彗星探査機「Comet Interceptor」の観測対象を探す取り組みにも関係します。

小笠原のカメムシ、遺伝解析で2種に分類 母島の個体を新種と記載

小笠原諸島に生息するカメムシの仲間「Omoplax desecta」は、ゲノム全体にわたるDNA解析などから2種に分かれることが分かり、母島群の個体は新種「Omoplax sandoru」として記載されました。52個体の解析で島群ごとの遺伝的な違いが見つかり、雄の交尾器にも形態差が確認されています。

ブタ腎臓を−150℃で最長1年間保存し、移植後の機能回復を確認

ミネソタ大学などの研究チームは、ブタの腎臓を−150℃で最長1年間保存し、再加温して別のブタへ移植した後、機能が回復することを確認しました。従来の臓器保存は数時間から数日単位です。今回発表された研究は査読前で、対象はブタの腎臓です。

ロシア軍衛星コスモス2612、ウクライナ支援に関わる米国登録衛星へ接近

ロシアの軍事衛星コスモス2612が、ウクライナへの情報提供に関わるICEYE-X36へ接近し、軌道上で近い距離を保つ動きを見せています。公開軌道データには、両衛星の軌道を合わせる一連の操作が記録されました。衛星の近接運用は観測や整備にも使われますが、相手側の同意を得ていない接近とされています。

アルテミスの月面車、乗員輸送と無人科学探査を担う

アルテミス計画のLunar Terrain Vehicle(LTV)は、宇宙飛行士を月面で運ぶほか、乗員不在時に貨物や科学機器を運ぶ構想です。アポロ計画の月面車が乗員の移動を支えたのに対し、LTVは無人運用も取り入れ、月の南極で探査を続けます。

南アフリカで農薬代替を模索、農場労働者の健康と環境への影響が焦点

農薬散布の影響を受けやすい農場労働者や周辺住民の健康を守るため、南アフリカでは化学農薬に代わる害虫対策が議論されています。候補には、微生物などを使う生物農薬や、害虫の遺伝子の働きを妨げるRNA干渉(RNAi)スプレーがあります。安全性の評価や承認手続きには課題が残っています。

JAXAとISC、再使用型ロケットのモデル化技術で共創開始

JAXAと将来宇宙輸送システム(ISC)は、再使用型ロケットによる宇宙輸送サービスの実現に向け、2026年9月に共創活動を始めました。両者の試験データと解析技術を組み合わせ、機体の損傷や異常を再現・予測するモデルの精度向上と汎用化を目指します。技術基盤を整え、高頻度・低コストの輸送サービスと日本の宇宙輸送能力の向上につなげる計画です。

TIMP2の補充で高齢マウスの脳免疫細胞の働きが改善

若い時期に多いタンパク質として知られるTIMP2を高齢マウスに補充すると、脳の免疫細胞ミクログリアが細胞の残骸を取り除く能力が高まり、炎症に関連する分子の兆候も減りました。この結果は、加齢に伴う脳の変化を調べるうえで、血液中の因子が脳内の免疫機能に関わる可能性を示しています。

赤身肉由来Neu5Gcの摂取量が多い群、2型糖尿病リスク63%高く

赤身肉に含まれる糖の一種、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)の摂取量が最も多い人は、最も少ない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが63%高いという観察研究の結果が報告されました。研究は約9万人を対象にしており、赤身肉と糖尿病の関連には、体重以外の要因も関わる可能性を示しています。

シロシビン単回投与、うつ症状は早期に改善も1年後の群間差は縮小

スウェーデンで行われた無作為化臨床試験では、中等度から重度の反復性うつ病がある成人35人に、シロシビン25mgまたはナイアシンを投与しました。シロシビン群は17人、ナイアシン群は18人で、両群とも17日間に心理的支援のセッションを5回受けました。

褐色脂肪と健康状態の関連を10万人超の記録で解析、ロサルタンの作用もマウスで検証

褐色脂肪組織(BAT)はエネルギーを熱に変える脂肪組織です。米ロックフェラー大学などの研究チームは、医療記録を使ってBATと複数の病気との関連を調べました。約10万人の解析では、BATが確認された人は心血管疾患や精神疾患の有病割合が低く、降圧薬ロサルタンはマウスのBAT活性を高めました。ロサルタンによる活性化が人の健康に及ぼす影響は、この研究では評価されていません。

水中のマイクロプラスチックが活性酸素を生む仕組みを研究チームが報告

プラスチックは通常の環境では化学的に安定だと考えられてきました。研究チームは、マイクロプラスチックの表面が水と接すると、反応性の高い活性酸素種が自発的に生じると報告しました。発生量は表面の疎水性が高いほど増え、界面の静電気的な性質とも強く関連していました。この仕組みは、微小なプラスチックと生体分子や細胞との相互作用を考える手がかりになります。

4週間の瞑想試験、抑うつ症状の変化と手法ごとの心理過程を検討

フランスの成人147人を対象にした4週間の無作為化比較試験で、集中注意瞑想と自己探究瞑想の両方が、待機群より抑うつ症状を大きく減らしました。症状の変化に統計的有意差はなく、探索的分析では、集中注意では思考を距離を置いて捉える力、自己探究では人とのつながりが、それぞれ異なる心理過程として関連しました。