紙製の手動遠心分離機「paperfuge」、電力なしで血液成分を分離
スタンフォード大学の研究チームが開発した「paperfuge」は、紙や糸などで作る手動遠心分離機です。材料費は約20セント、重さは2グラムで、電力を使わずに血液を分離できます。
好奇心が、日常をおもしろくする
スタンフォード大学の研究チームが開発した「paperfuge」は、紙や糸などで作る手動遠心分離機です。材料費は約20セント、重さは2グラムで、電力を使わずに血液を分離できます。

加齢に伴う認知機能の低下が速かった人では、脳の神経線維が少なく、ミエリンにも異常が見られました。エディンバラ大学などの研究チームは、ミエリンを作るオリゴデンドロサイトのNRF2低下が、こうした変化に関わる可能性を示しました。マウス実験でも関連する変化が生じており、NRF2経路を標的とする治療の可能性が検討されています。

スタンフォード大学の研究チームは、蛍光標識を使わずに生きた細胞内の構造を観察する顕微鏡「iISM」を開発しました。横方向の解像度は約120ナノメートルで、細胞内の動きを捉えられます。従来の共焦点顕微鏡より照明光を抑えられるため、蛍光顕微鏡の分子特異性と組み合わせ、細胞を長時間観察する研究への活用が見込まれています。

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、主鏡などの光学系を微調整し、広視野観測装置の光学誤差を設計時の要求値より約30%小さくしました。18個の検出器を備えるこの装置は、予測を上回る画像品質を達成しています。今後の広域観測では、暗黒物質や暗黒エネルギーの研究に使う画像を撮影します。

SpaceXのドラゴンが国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、人工網膜や心臓組織の研究装置、最後の新型太陽電池アレイを届けました。微小重力での製造実験機材とISSの電力供給を補う設備が、同じ便で運ばれています。

実験薬DT-109は、マウスと非ヒト霊長類の実験で、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)による肝臓の炎症や重症度を軽減しました。肝臓に直接働きかけるのではなく、腸内細菌や腸の内壁を介して肝臓への影響を抑える仕組みが示されています。
カリブ海産のシャコの眼から調べた17種類のロドプシンのうち、3種類が600ナノメートルを超える光を吸収することが分かりました。研究では、光を受けた後に性質が変わり、別の波長の光で元に戻る「可逆性」も確認されました。色素フィルターと複数のロドプシンが組み合わさり、シャコの眼の幅広い波長への感度を支えています。

マウスを使った研究では、アルコールを摂取すると、脳の免疫細胞であるミクログリアが神経細胞を支える細胞外マトリックス(ECM)を取り込み、分解する様子が観察されました。ECMは脳細胞を支え、神経細胞同士の安定した情報伝達を助ける構造です。

過食行動に関連する遺伝領域が6カ所、神経性やせ症(拒食症)に関連する領域が8カ所特定されました。両者は精神疾患との遺伝的な結び付きの一部が重なる一方、BMIや体脂肪率との関連は反対方向でした。遺伝的な相関は、過食行動や拒食症が別の疾患や体重を引き起こすことを示すものではありません。
脳は一つの器官として働きますが、発生初期には前方と後方が別々の細胞集団から作られることを示す研究が発表されました。マウス胚とヒト幹細胞を使った実験では、前脳・中脳と後脳の細胞が異なる発生経路をたどり、後脳の運動ニューロンを培養下で作ることにも成功しました。

米陸軍の低価格コンテナ化弾薬(LCCM)計画で、X-Bow Systemsが巡航ミサイル用ブースターモーターの開発・製造を担います。設計と試験を経て、2027年に本格量産へ移る予定です。固体ロケットモーターの積層造形は、複雑な形状を作りやすく、試作品を短期間で作れる可能性がある一方、材料や品質の確認も課題です。

気象庁は10月16日、カムチャツカ半島付近で発生した地震のマグニチュードをM9.9と過大に推定し、北海道から中部地方に緊急地震速報(警報)を発表しました。実際の地震はM6.9、深さ約160キロで、最大震度は1でした。

米国とカナダの飼い猫から集めた15万7616件の便検体を調べた研究では、原虫の一種「ジアルジア・デュオデナリス」が6.3%から検出されました。検出された猫のうち18.5%では、人にも感染する可能性がある遺伝的グループAまたはBが確認されました。

チェルノブイリ原発事故から約40年後に採取された放射性燃料粒子6個を調べたところ、核燃料を閉じ込める構造はおおむね保たれていました。放射性物質が環境へ出る速度は想定より遅い可能性がある一方、粒子自体はなお危険で、風化の程度は粒子の性質や土壌条件によって異なります。

アルツハイマー病のマウスで、ミトコンドリアに集まる酵素GRK2の凝集を抑える化合物と、できた凝集を分解する化合物が、それぞれ脳の損傷や記憶低下を抑えました。いずれも動物実験の結果で、人への治療応用には安全性と有効性の検証が必要です。

淡水産のカタツムリ、モノアラガイでは、殻の巻き方向に遺伝子「Lsdia1」が関わっています。研究チームはゲノム編集技術CRISPRでこの遺伝子を変異させ、機能しなくなると左巻きの子が生まれることを確かめました。

東部熱帯太平洋のコスタリカ沖で、金色の樹木のような姿をした八放サンゴ「Laurinque elenya」が確認されました。既知のサンゴ科に分類できない特徴を持ち、新たな科「Laurinqueidae」が設立されました。このサンゴは酸素濃度が極めて低い海域で群落をつくり、海底の生物に立体的な生息場所を提供しています。

国際宇宙ステーション(ISS)で約8カ月を過ごしたCrew-12の船長、NASAのジェシカ・メア飛行士は、宇宙から見る地球の大気の薄さから、生命を支える環境の脆さを実感すると語りました。宇宙からの眺めは、地球を守る必要性や人類のつながりを強く意識させるとも述べています。

オレゴン州の規制下で、低所得のうつ病患者を対象に集団形式のシロシビン療法を行う小規模試験が実施されました。参加者のうつ症状は投与後に低下しましたが、比較対象のない試験のため、シロシビン自体による改善の程度は特定できません。

コンスタンツ大学の研究チームが、特定の生分解性プラスチックを分解する細菌の酵素を見つけました。この酵素はペニシリンも切断しますが、実験で反応が確認されたことと、生きた細菌に抗生物質耐性を与えることは区別されます。

南カリフォルニア大学(USC)の研究チームは、免疫細胞の前駆細胞を増殖させ、がんを認識するよう遺伝子改変する手法を開発しました。マウス実験では、改変細胞が骨髄などに定着して新たな免疫細胞を生み、血液がんと固形腫瘍の進行を遅らせました。この手法は体内で細胞を補充し続ける設計ですが、人での有効性や安全性はまだ確立していません。

英国の約97万7,000人を追跡した調査で、飲み物を「非常に熱い」と感じる温度で飲む人は、「温かい」と感じる人より食道扁平上皮がんの相対リスクが約3.17倍でした。飲み物の温度と摂取頻度の両方に関連が見られましたが、食道腺がんでは温度との関連は見られませんでした。

水道水を5分間沸騰させ、冷ましてからろ過する方法で、ナノ・マイクロプラスチック(NMPs)を減らせる可能性があります。実験では、炭酸カルシウムを多く含む硬水で、浮遊する粒子の最大90%が除去されました。水の硬度によって効果に差があり、軟水では除去率が約25%でした。
大同特殊鋼と京都フュージョニアリング(KF)は、核融合炉のブランケット構造材に使う高純度の低放射化バナジウム合金について、製造技術の確立に向けた共同開発を始めました。両社は合金を累計200kg溶解し、鍛造した丸棒と板状の加工材を製造しています。

SkyFall計画では、火星に3機のヘリコプターを送り、地表の地形や地下の氷を調べます。打ち上げは2028年後半、火星への着陸は2030年秋の予定です。探査車を中継に使わず、ヘリが個別に飛行・着陸する構想で、火星の広い範囲を上空から調べます。

白色矮星は、太陽ほどの質量を持つ恒星が燃料を使い果たした後に残す高密度の天体です。恒星の色は温度で決まると考えられてきましたが、研究チームは白色矮星では大気の化学組成も色を変えることを示しました。

砂の粒を微生物由来の繊維で結びつけ、水の抜け方を変える方法が実験室で試されました。砂の中で繊維を育てる方法では水の損失が約6分の1になり、別に育てたセルロースの薄いシートを挟む方法では透水性が約28分の1になりました。

MerckとModernaは、手術後のメラノーマ患者を対象とする個別化mRNAがんワクチンの第3相試験で主要評価項目を達成し、規制当局への申請準備を進めています。両社は肺がんや腎臓がんなどにも試験を広げています。他の腫瘍での有効性と、患者ごとのワクチンを製造・投与する仕組みが今後の焦点です。

19歳の参加者1,332人が怒り顔を見るときの脳活動を解析し、視覚情報の処理パターンから将来の抑うつ症状に関わる指標を作る研究が発表されました。この指標は、臨床症状がなかった参加者の4年後の症状を予測し、人口統計情報や基本的な脳活動を用いる基準モデルを上回りました。

火星の衛星フォボスとダイモスは、火星の周囲でどのように生まれたのでしょうか。JAXAの火星衛星探査計画「MMX」は、フォボスを詳しく観測して地表の試料を採取し、地球へ持ち帰る計画です。観測と試料分析を通じ、火星衛星の起源をめぐる二つの仮説の検討を目指します。

農地周辺の雑草9種を調べた実験で、除草剤ジカンバの低濃度の飛散に対する反応は、植物種だけでなく生育環境によっても異なりました。短期的な成長への影響が小さい植物ほど、花の生産や種子形成への影響も小さくなる傾向が示されています。

コンクリートは世界で年間約300億トン使われ、製造に伴う排出は世界全体の最大8%を占めます。長寿命化やCO₂の回収・再利用によって排出を減らす技術の開発が進んでいます。

ケニアで、国内初のエボラ感染者の親族にあたる39歳の男性の感染が確認されました。男性は隔離中に発症し、当局は接触者の追跡を始めています。WHO当局者は、感染者が2人確認された段階でも、ケニアで流行が起きている証拠はないと述べました。

メキシコサンショウウオ(通称アホロートル)は、通り抜ける穴の大きさを見分け、暗闇でも大きい穴を選ぶ傾向を示しました。24匹の幼体を使った実験では、解析対象の22匹すべてに、大きい穴を選ぶ統計的に有意な偏りが見られました。この結果が示すのは穴の大きさを見分ける能力であり、数を数えたり数学的に考えたりする能力ではありません。

オゼンピックやウゴービなどのGLP-1薬について、米国の2型糖尿病患者を対象とした大規模研究で、突然の視力低下につながるまれな目の病気との関連が報告されました。研究者は、患者や医療従事者が認識すべき関連だと述べています。

Colossal Biosciencesは、絶滅したドードーの特徴に関わる遺伝子編集候補を探すAIプラットフォーム「GenoMorph」を発表しました。くちばしや頭蓋骨の形に関係する調節DNAを絞り込み、実験で検証する対象として約2,300の候補を挙げています。Colossalは、古代DNAの情報が限られる種の研究を進める手段と位置づけています。

2024年3月、南極のデンジャー諸島で見つかった数千羽のアデリーペンギンの死因は、鳥インフルエンザではなく、鳥コレラが中心だったとする研究結果が公表されました。調査した49個体のうち46個体から原因菌が検出され、H5N1が確認されたのは少数でした。H5N1の監視が続く地域で、別の感染症も野生鳥類の大量死に関わる事例です。

NASAはDAVINCIの打ち上げを2030年12月、VERITASの打ち上げを2032年11月に目指しています。大気を直接調べる探査機と、軌道上から地表を測る探査機が相次いで金星へ向かう計画です。予算の圧迫で遅れや中止が懸念されていた両計画は、打ち上げ時期を定めて開発を進めています。

Prime Videoの限定シリーズ『The Challenger』に、デイシューケ・ツジ、デニス・フラナガンら11人が新たに複数回登場する役で加わります。クリステン・スチュワートとウィル・アーネットが主演し、1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」事故に至る経緯を描きます。
高水温などで褐虫藻と呼ばれる共生藻を失ったサンゴが、健康なサンゴに触れて共生藻を受け取り、数週間で回復することが実験で確認されました。組織の融合でできる通路を通じて藻が移る仕組みは、白化後のサンゴを回復させる方法の研究につながる可能性があります。

シロシビン、LSD、2C-Bをラットに1回投与した研究で、脳の糖代謝と領域間の連動に薬物ごとの違いが見つかりました。人を対象とした別の脳画像研究でも、LSDとシロシビンで異なるネットワーク変化が報告されています。
世界のマングローブ面積は1985年から2025年にかけて約477平方キロメートル増え、長く続いた減少傾向から転じました。ただし、国や地域によって増減は分かれています。増加幅は40年間で0.3%で、各地の損失を含めた世界全体の純増です。
2026年7月、豪州ビクトリア州沖で釣られた2匹の大型マグロが、遺伝子検査で太平洋クロマグロと確認されました。遊漁者が同州で太平洋クロマグロを確認したのは初めてです。外見のよく似たミナミマグロとの判別には遺伝子分析が役立ち、釣った人たちと研究者の連携が記録につながりました。

10月13日の夜明け前、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設からSpaceXのファルコン9ロケットが打ち上げられました。ロケットの航跡は、オレンジや青の光とガスが広がる「クラゲ」のような形に見えました。

オクラホマ州地下に埋もれたエイムズ衝突構造は、従来の推定より約1億年若い約3億7000万年前に形成されたと分かりました。新たな年代により、この構造は約4億6700万年前の「オルドビス紀の隕石イベント」から切り離され、海洋生物の大量絶滅が起きた時期に位置づけられます。ただし、研究者たちは衝突が絶滅を引き起こしたとは結論づけていません。

アルツハイマー病の研究では、中心的に扱われてきたアミロイドβ(Aβ)に加え、関連するペプチド「P3」の作用も調べられています。P3は長く無害と考えられていましたが、研究では凝集体を形成し、神経細胞に影響する可能性が示されています。

妊娠中から2歳ごろまでに形づくられる腸内細菌叢と脳の発達との関係を調べる研究が進んでいます。腸内細菌叢は免疫や代謝に関わるほか、神経の発達に影響する信号を伝える経路にもなり得ます。自閉スペクトラム症などとの因果関係は確立しておらず、研究者は大規模な検証が必要だとしています。

英国ワイト島で見つかった化石から、新種の肉食恐竜「インウィクティベラトリクス・アンベリナ」が記載されました。メガラプトル類の化石が欧州で確認されたのは初めてです。

ハッブル宇宙望遠鏡が2015年に撮影した銀河団「SDSS J1038+4849」の画像は、笑顔のように見えるとしてNASAに紹介されました。銀河団は、地球から45億光年離れたおおぐま座の方向にあります。
研究チームは、南極のスウェイツ氷河が海面上昇に寄与する量を、2100年までに最大30±6mmと推定しました。従来の予測のおよそ2倍に当たります。氷河が海底の高まりに支えられた状態から離れる時期は、早ければ2038年と見積もっています。

米カリフォルニア州アラメダのLongshot Space Technologyは、圧縮ガスを使う長い砲身から貨物を射出し、宇宙輸送に利用する構想を進めています。ロケットの推進系をすべて機体に載せるのではなく、加速の一部を地上の再使用可能な設備で担う考えです。
うつ症状のある人を対象にした米国の大規模臨床試験では、遺伝子検査に基づくSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の処方は、3カ月時点で通常診療と比べて症状を改善しませんでした。一方、遺伝子情報に応じて薬や用量の変更が推奨された患者では、6カ月時点の寛解率が通常診療群より高くなりました。

Varda Space Industriesは10月1日、SpaceXの相乗りミッションで宇宙船「W-8」と「W-9」を同時に打ち上げました。同社が同じロケットで2機を打ち上げたのは初めてです。軌道上で製造や試験を行った物を地球へ戻す事業を、複数機で運用します。2027年にはさらに7回のミッションを計画しています。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測で、宇宙誕生から約18億年後に爆発した超新星が確認されました。遠方の超新星を含む約80個の明るさの変化が見つかりました。特に、宇宙の膨張率を測る手がかりとなるIa型超新星が、従来の記録より遠い宇宙で見つかりました。

てんかん治療薬として承認されているラコサミドについて、マウスの変形性関節症モデルと培養したヒト軟骨細胞を用いた研究で、痛みの軽減と軟骨修復を促す作用が確認されました。変形性関節症では、骨の間でクッションや潤滑の役割を担う軟骨が損なわれます。今回の結果は、症状の緩和に加え、軟骨の変化にも働きかける治療の可能性を示しています。
ケタミンとシロシビンなどの幻覚薬に共通する免疫系の変化が、ケタミン治療への反応と関連する可能性を示す研究が発表されました。

ClimateCropは、植物が葉に蓄えるデンプンを増やす遺伝子改変技術を開発し、バナナ、ジャガイモ、トマトなどで効果を調べています。葉に蓄えたデンプンは、夜間やストレス時に糖へ戻され、植物のエネルギー源になります。同社は蓄積量を増やし、生育やストレスからの回復を支えて収量向上につなげることを目指しています。

CRISPRは、狙った遺伝子を編集する技術です。開発に携わったジェニファー・ダウドナ氏は、2012年の共同発明後、この技術が病気の治療や議論を呼ぶ問題に加え、健康や気候の課題にも使われるようになったと振り返っています。
タコやイカ、コウイカの複雑な神経系の進化には、遺伝子の配列だけでなく、細胞内でDNAが折りたたまれる立体構造も関わった可能性があります。ウィーン大学などの研究チームは、頭足類の祖先で起きた大規模なゲノム再編成によって、離れていたDNA領域が接触し、新たな遺伝子制御のつながりが生じたとする研究を発表しました。ただし、この変化が知能を直接生み出したと結論づけた研究ではありません。

加齢に伴って細胞のリサイクル機能「オートファジー」が一律に低下するとは限らず、細胞の種類や性別によって変化の仕方が異なることが、健康な成人を対象にした研究で示されました。70歳を超える成人では、オートファジー活性が高いほど身体機能が低いことと関連し、5人が参加した運動介入では、活性の低下と身体機能の改善が並行して観察されました。

腸内細菌が食物を分解して生む物質も、体が食事から得るエネルギーの一部になります。アリゾナ州立大学の研究チームが開発した数理モデル「DAMM」は、消化管内での吸収と腸内細菌の代謝を合わせて計算し、従来の方法より実測値に近い推定を示しました。管理された食事試験では、高繊維食の参加者は一般的な欧米型の食事を取った参加者より、1日あたり約116キロカロリー少なく吸収していました。

欧州の地球観測衛星Sentinel-3Cは、打ち上げから約2週間後、イタリア、北極圏、カリブ海の画像と、海面およびグリーンランド氷床の高度データを取得しました。初期測定は既存データとよく一致しており、衛星は本格運用に向けた試験を進めています。

慢性大腸炎のラットでは、クレアチンの摂取により、脳の海馬に起きる炎症や神経細胞の変化が抑えられました。変化は雄で強く、雌雄で異なる影響が見られています。

MITの研究チームは、患者の体内にあるNK細胞を遺伝子改変し、がん細胞や異常なT細胞を攻撃させる方法を開発しました。細胞を体外に取り出して加工し、再び戻す工程を省くことを目指しています。

2026年10月12日、SpaceXはカリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からFalcon 9を打ち上げ、Starlink衛星27基を低軌道へ送りました。Falcon 9によるStarlink打ち上げは9月19日以来で、3週間を超える間隔が空きました。

超音波は脳の深部まで届く一方、従来の方法では刺激が広がり、小さな神経細胞群を狙う精度に課題がありました。研究チームは、ガスを内包した中空シリカナノ構造体(HSN)を超音波と組み合わせ、マウスの脳を長期間刺激する方法を検討しました。この方法は、パーキンソン病モデルマウスの運動症状を改善したと報告されています。

ナミビア北部のエトーシャ・パンを、欧州の地球観測衛星「Sentinel-2」が宇宙から撮影しました。画像では、実際には白く見える塩原が青系、周辺の植生が赤系に表現されています。偽色を使うことで、地上では見分けにくい土地の特徴を捉えられます。

約1億7000万年前に現在のモロッコに生息したワニ形類の新種が見つかりました。長い吻に並ぶ針のように細い歯から、エビや小魚など、柔らかく小さな水生生物を食べていた可能性が示されています。

木材産業の副産物リグノスルホン酸塩を、水を使った工程でナトリウムイオン電池向けの炭素ナノファイバーに変える研究が発表されました。リチウムより豊富なナトリウムを使う電池の材料候補を、廃棄物由来の原料から作る試みです。研究チームは、材料のナノスケールの構造を調整し、充放電時のナトリウムイオンの貯蔵と放出を改善したと説明しています。

NASAは、国際宇宙ステーション(ISS)から帰還する貨物船に12個の小型カプセルを載せ、再突入時の熱防護材を試験しています。実験「KREPE-3」では、貨物船が大気圏で分解する過程を利用し、複数の材料や形状について飛行データを集めます。月や火星などのミッションに向け、熱シールドの設計を検証する取り組みです。

ボン大学とボン大学病院などの研究チームは、80歳の人から採取した血液の前駆細胞を神経幹細胞へ直接変換しました。得られた細胞のエピジェネティック年齢は20歳未満と測定され、細胞の種類を変える過程で分子レベルの若返りも起きました。
クラマス川では2024年に4基の水力発電ダムが撤去され、100年以上遮られていた上流域への通路が開きました。撤去後2回の遡上期を調べた研究で、チヌークサーモンが再び上流へ移動し、かつての分布域の大部分を利用し始めたことが分かりました。

アポロ7号は1968年10月11日、ウォーリー・シラー、ドン・アイゼル、ウォルター・カニンガムの3人を乗せて打ち上げられました。アポロ計画で乗組員が宇宙へ向かった初の飛行であり、アポロ1号の火災後に有人飛行を再開する節目となりました。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の環境・持続可能性研究所は10月8日、森林の音を使って生物多様性を調べる研究者、ズザナ・ブジヴァロヴァ氏に「プリツカー新進環境リーダー賞」を授与しました。ブジヴァロヴァ氏は2026年の受賞者で、同賞は今回で10回目となります。

米国では、サイケデリック薬の治療利用をめぐり、FDAによる薬事審査に加えて、安全に製造・保管・投与する仕組みが論点になっています。通常診療への導入には、薬の有効性や安全性を示すだけでなく、規制物質の管理や臨床現場の体制も関わります。
幻覚作用をもたらす量のシロシビンを初めて摂取した健康な成人では、体験中に脳波の不規則さが増し、その変化は後日の心理的洞察やウェルビーイングの向上と関連しました。一方、1か月後に残る脳機能の変化は小さく、研究者は結果の再現が必要だとしています。
実験段階の注射薬CBL-514は、脂肪細胞のアポトーシスを促す仕組みを持ち、初期の臨床試験で内臓脂肪量の減少が報告されました。肥満治療薬を中止した後の体重再増加を抑える可能性も動物実験で調べられていますが、人での効果は検証されていません。

西オーストラリア州の乾燥地帯では、2026年の冬に野生花が広がり、通常は赤茶色に見える土地が緑や花の色で覆われました。NASAの衛星画像は、前年の同じ時期と比べて植生が増えた様子を捉えています。地元の専門家は、約20年ぶりの規模の開花となる可能性があるとみています。
メニンは、脳の視床下部で炎症を抑えるタンパク質です。研究チームは、マウスの加齢に伴って視床下部のメニン量が減り、その低下が炎症や身体機能の変化に関わる可能性を調べました。

マダガスカル南部では、月の明るい高地を構成する岩石と同じ種類の斜長岩が、地表に広く露出しています。2026年8月28日、NASAの宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから撮影したのは、サリリアキー斜長岩岩体です。露頭は約100平方キロメートルに広がり、少なくとも6億年前に形成されたと考えられています。

バニラの香りや風味の主成分であるバニリンについて、フリンダース大学の研究チームが、慢性創傷の治療や組織再生に使う製剤への応用可能性を検討しました。研究チームは、バニリンに抗酸化、抗炎症、抗菌の性質があると報告しています。

約16光年先にある連星系70 Ophiuchi AB(70 Oph AB)を調べた研究は、主星の周囲に地球質量の惑星が安定して公転できる領域がある可能性を示しました。惑星の存在を確認したわけではありませんが、2つの恒星がある系でも、主星の周囲に液体の水を保てる環境が成り立ちうるとする結果です。

NASAはアルテミスIIで集めた月科学データ800GB超を公開しました。データには写真や映像のほか、乗組員の音声記録や手書きの注釈も含まれています。乗組員の観察記録を科学研究に利用できます。

米ウィスコンシン大学マディソン校などの研究チームは、腸内細菌が作る代謝物イミダゾールプロピオン酸(ImP)が、アルツハイマー病に関連する脳の変化を促す可能性を報告しました。認知機能に問題のない成人を調査し、遺伝データやマウス、培養細胞を使った実験でも関連を調べています。

フィラメント式3Dプリンターは、樹脂を加熱して造形する間、目に見える煙がなくても超微粒子や揮発性有機化合物(VOC)を放出します。超微粒子は呼吸器の奥まで届く可能性があり、一部のガスは吸入による健康影響が懸念されています。

皮膚のかゆみや熱さに意識を向けると、ヒスタミンで起こした急性の炎症反応が小さくなり、腫れも早く引く傾向が示されました。研究チームは、注意が感覚の受け取り方だけでなく、免疫反応の調整にも関わる可能性を、健康な成人を対象とした3つの実験で検討しました。
心不全モデルのラットに、miR-30b-5pというマイクロRNAを載せたPEG-PLGAナノ粒子を投与した研究で、心機能の改善と心筋損傷の軽減が報告されました。心臓へ薬剤を届ける設計と、心筋肥大や炎症に関わる指標の変化を調べた動物実験です。

NASAのアルテミスII乗組員は、2026年4月6日の月周回飛行中に、灰色や黒だけでなく、褐色、黄褐色、緑色、青色などの色合いを記録しました。乗組員は写真や映像、音声、手書きの注釈を残し、NASAはこれらを予備的な月科学報告として公開しています。

京都大学などの国際研究チームは、マウスにブドウ糖を与える前にオリーブ油を摂取させると、摂取後の血糖値の初期上昇が小さくなると報告しました。オリーブ油を先に与えた場合、後から与えた場合に比べて胃から腸へ内容物が移る速度も遅くなりました。

歩くときの足先の向きを個人に合わせて変える歩行再訓練で、膝の変形性関節症がある人の痛みが軽減し、軟骨の健康状態を示すMRI指標の悪化も遅くなりました。68人を対象に1年間追跡した試験の結果です。痛みの改善は一部の薬で報告される効果と同程度でしたが、軟骨が再生したことを示すものではありません。
ポリエチレンの微粒子への曝露が、マウスの肝臓で脂肪肝に関連する変化を促し、高脂肪の食事と組み合わさると肝障害の指標がさらに悪化したと、研究チームが報告しました。肝臓の脂肪代謝に関わるタンパク質PPARαと、組織修復に関わる遺伝子ANXA2も、変化に関係する候補として挙がっています。

イカの体表全体に、周囲の水の動きを捉える有毛細胞が広く分布していることが、全身の立体画像化によって明らかになりました。細胞の毛束には長さの違いがあり、人の内耳にある有毛細胞との構造上の共通点も見つかりました。

英国のNEOPRISM-CRC試験では、ミスマッチ修復機能欠損(MMR欠損)またはマイクロサテライト不安定性高値(MSI-high)の特徴を持つステージ2または3の大腸がん患者32人が、手術前に免疫療法薬ペムブロリズマブを最大9週間受けました。追跡期間33カ月の時点で全員に再発は確認されず、治療後に小さな病変が残っていた患者でも、病変の増大や転移はありませんでした。この結果は対象を限った試験で得られたものです。
孤独感と社会的孤立の両方を抱える人は、どちらもない人に比べ、50歳時点で精神疾患を経験せずに過ごす期間が短い傾向がありました。英国の成人約27万7,000人を分析した研究では、短縮幅は女性で3.7年、男性で5.8年と推定されました。身体疾患のない期間にも差がありましたが、精神面での差のほうが大きく、生活習慣との関連も孤独感と社会的孤立で異なりました。

米プリンストン・プラズマ物理研究所(PPPL)の研究チームは、核融合プラズマを先に加熱し、その後で密度を高める点火への経路を計算で示しました。この方法では従来と異なる順序で進み、点火に必要なエネルギーを抑えられる可能性がありますが、実験ではまだ検証されていません。

ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、脊椎の骨密度が低い人ほど認知機能の低下が速く、脳の白質にも加齢に伴う変化が見られる傾向を報告しました。胸部CTから推定した骨密度と、脳MRIおよび認知機能検査の結果を数年にわたって調べた研究です。骨密度と脳の変化には関連が見られましたが、骨密度の低下が認知機能低下を引き起こすとは結論づけていません。

スリナムヒキガエルの指先には、水の動きを感じ取る小さな感覚構造が並び、獲物に触れる前の吸い込み捕食を支えています。研究では、指先が脳の感覚処理領域でも大きく表現されることが示されました。カエルやヘビ、ウミガメなどは、人には直接感じられない情報も利用して周囲を捉えています。

ブラジル・アマゾン最大の都市マナウスで、森林火災の煙による大気汚染を受け、公共学校が休校しました。市は生徒と教育関係者の健康と安全を守るためと説明しています。再開日は決まっていません。

犬は人と同じ家庭環境で年を重ね、認知機能の低下や脳内の異常なたんぱく質の蓄積が自然に起こります。人為的な遺伝子改変で病気を再現するマウスとは異なり、加齢に伴う変化をそのまま調べられる点も、犬が認知症研究の対象となる理由です。

シロシビンを摂取した人の脳活動を調べたところ、一見乱れているように見える変化の中に、休息や瞑想、音楽、映像といった状況に沿うパターンが見つかりました。研究チームは、このパターンが自己と外界の境界が薄れる感覚や、翌日の心理状態の変化とも関連したと報告しています。ただし、参加者は精神疾患の患者ではなく、結果は治療効果を示すものではありません。
ケニア人男性はコンゴ民主共和国(DRコンゴ)で発症した後、ウガンダを経てケニアへ移動し、ナイロビの病院でブンディブギョ型エボラウイルスへの感染が確認されました。複数の医療機関と空港の検査を通過し、ケニアで接触した可能性のある人は66人に上ります。

NASAは2026年10月、国際宇宙ステーション(ISS)の後継となる民間宇宙ステーションの提案募集を始めました。企業からの提案は12月8日まで受け付け、2027年春に契約先を選ぶ予定です。NASAは低軌道での有人活動を続けるため、初期段階で2社以上を選定します。
天の川は、宇宙誕生後の最初の20億年に数千の小銀河が衝突・合体して成長したとするシミュレーションが発表されました。研究チームは初期のガスや星、元素の変化を追跡し、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測と比較できる銀河の光の特徴を計算しました。

スペイン南部カディス県のエル・ルエド風力発電所で風車の翼1枚を黒く塗ったところ、塗装した風車の鳥の年間死亡率は、白い翼の風車と比べて約74%低くなりました。風車の回転翼を鳥が認識しにくくなる問題に対し、翼の色を変える方法を長期間の現地調査で検証しました。
GLP-1薬のセマグルチドとチルゼパチドについて、分子レベルの老化指標の変化が抑えられたとする分析結果が公表されました。老化の進みを示す可能性はありますが、時計の数値の改善は、健康寿命や寿命の延長を意味するものではありません。
パナマでマグニチュード7.7の地震が発生し、複数の建物が損傷しました。震源の深さは12キロで、揺れは首都パナマ市にも及びましたが、パナマ運河への影響はありませんでした。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、太陽系外にある褐色矮星WISE 0855の大気を約11時間観測し、水雲の厚さが場所によって変化する証拠を捉えました。約15分ごとに赤外線スペクトルを記録したことで、天体の明るさだけでなく、雲や大気中の分子に関係する変化も調べられました。この観測は、地球のような惑星で天候を見つけたという意味ではありません。太陽系外の冷たい天体で、水雲の変動を分光で追った成果です。

ハワイ島のキラウエア火山では、2024年12月に始まった山頂火口での溶岩噴泉が、2026年9月までに54回発生しました。研究チームは最初の39回について、地面の変動や地震、ガス、溶岩の成分などを調べ、山頂の傾斜変化を手がかりに噴泉の発生時期を予測できると報告しました。

米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームは、エルビウムを加えた薄膜ニオブ酸リチウム導波路で、量子情報を保ちながら複数の光子を同時に1マイクロ秒超保存するチップ型メモリーを実証しました。光子を一時的に待機させる機能は、量子計算や通信で処理のタイミングを合わせるために必要です。
英サリー大学の研究者らは、ビタミンD補充に関する研究を分析し、D2のサプリメントを摂取した人では血中D3濃度が低下する傾向を報告しました。研究者らは、ビタミンDの摂取量を増やしたい人には、一般にD3を選ぶ方がよいとしています。

セーシェルのアルダブラ環礁に生息するアルダブラゾウガメは、約18万頭と推定されました。調査期間中の推定値は約18万3000頭で、同国の人口を上回ります。19世紀に1000頭未満まで減少した個体群が、過去最大の規模に達したことを示す結果です。
インドネシアの一部では数週間にわたり森林火災が続き、煙は国内だけでなく、マレーシア、シンガポール、フィリピンにも広がっています。火災の一部は、地表の炎が見えにくく、地下にも燃え広がる泥炭地で起きています。

NASAの火星探査車キュリオシティは、2026年8月11日、火星時間の午前8時30分ごろに撮影した6枚の画像をつなぎ、遠方の崖状地形「ヤルダン」を含むパノラマを記録しました。写真では、朝の光が地平線上のヤルダンを照らし、手前には青みがかった色が見えます。

ヴロツワフ医科大学などの研究チームは、クルクミン、ベルベリン、ビオカニンA、ククルビタシンE、プロポリス成分のCAPEを線維肉腫細胞と健康な筋肉細胞に作用させました。5種すべてで、がん細胞のエネルギー産生が妨げられ、細胞分裂を続けられなくなる変化が見られました。

コクランの更新レビューは、ニコチン入り電子タバコを使った人は、ニコチンパッチやガムなどを使った人より禁煙に成功する割合が高かったと報告しました。80件の臨床試験、計2万9861人を含む分析で、電子タバコによる禁煙支援の効果と安全性に関する限界を検討しています。

沖縄本島の沿岸18地点でルリスズメダイを調べた研究では、都市化した場所の魚に、餌を十分に得ている状態と慢性的な生理的ストレスの両方に関連する遺伝子発現が見られました。魚が多く生息していても、外見だけでは個体の健康状態が分からない可能性があります。
2026年の南極オゾンホールは9月20日に面積が2,740万平方キロに達し、この時期としては観測史上2番目の大きさになりました。南極上空を囲む強い風が冷たい空気を閉じ込め、オゾンの破壊を促したと研究者は説明しています。一方、長期的な指標ではオゾン層の回復傾向が続いており、今年の面積の大きさだけで回復が逆転したとは評価されていません。
タイのチェンマイ大学とカセサート大学の研究チームは、タイ北部の庭や野生の花から、アウレオバシディウム属の菌類16新種を発見しました。 既知の5種も見つかり、そのうち4種はタイで初の記録です。 外見のよく似た菌を区別するため、研究チームは5つの遺伝子領域のDNA解析に、顕微鏡観察や生育試験を組み合わせました。
米ノースウェスタン大学の研究チームは、マウスでカンナビノイドによる脅威の回避行動の増加に関わる神経細胞を特定しました。脳の扁桃体中心核にある特定の神経細胞が活発になり、その背景には、神経細胞の活動を抑える神経伝達物質の放出が減る仕組みが示唆されています。大麻に関連する不安を調べる研究ですが、今回の実験で測定したのは、マウスが捕食者のにおいに示す防御反応です。

核融合発電所を開発する米Type One Energyは、2026年10月6日にシリーズBの資金調達で2億ドルを確保しました。同社は初の商用発電所「Infinity Two」の2034年稼働を目指し、設計を自社で担い、製造を外部の協力企業に委ねる事業モデルを進めています。クリストファー・モーリー最高経営責任者(CEO)は、今回の調達によって初の発電所に必要な資金の約半分に達する見通しを示しました。